株式会社ブンカ様:「これ、マンパワーでやるべき作業?」手探りの電帳法対応から始まった、Googleドライブ × AI-OCRでの業務大改革

株式会社ブンカ様 インタビュー
[ お話を伺った方 ]
株式会社ブンカ 営業推進部部長・藤岡 稔尚 様 / 営業推進部 システムサービス課課長・濱田 隆 様
[ インタビュアー ]
株式会社アノテテ 代表取締役・岸本 渉
写真(左から): 濱田 様、藤岡 様、岸本

【 株式会社ブンカ様ご紹介 】
大阪と東京に拠点を置くセールスプロモーション会社。現在は、紙媒体の企画や印刷はもとより、映像コンテンツやWebサイトの制作、行政・企業のイベント企画・運営や広報サポート、アプリ・SNSの運用やキャンペーン事務局などのBPOサービス、さらには物流オペレーションまで、クライアントのニーズをワンストップで実現・展開している。
公式サイト

【 導入背景と成果まとめ 】

業種
広告・販売促進(総合セールスプロモーション)

導入前の課題・背景
・電帳法(電子帳簿保存法)への対応を機に、手動でのGoogleドライブ運用をスタートしたものの、月間約1,000ファイルに及ぶアップロードや手打ちでのラベル付け作業が現場の大きな負担になっていた。
・書類の提出が月末月初に集中するため、営業事務や各発注部門の業務が圧迫され、残業の懸念が生じていた。
・すべて手作業による運用だったため、チェック項目が形骸化しやすく、入力ミスや分類のばらつきが絶えないという品質面の課題もあった。

▶ 導入後の成果・効果
・全社基盤であるGoogleドライブ環境をそのまま活かした、独自の自動AI-OCR*・仕分けシステムを構築。
・手入力の作業工数が感覚値で「1/10」へと激減し、毎月複数人で合計約30時間かかっていた業務を大幅に省力化した。
・人間は自動認識された内容を「最終チェックするだけ」になり、入力ミスが防げると同時に、現場の心理的ストレスや億劫さが劇的に解消された。
・生まれた「時間の余白」を全社的な生成AI活用プロジェクトなど、未来への投資や本来のクリエイティブな「価値創造」の時間に充てられるようになった。

(注)AI-OCR*とは…OCRはOptical Character Recognition(光学式文字読取)の略。
画像やスキャンデータから文字を認識し、テキストデータに変換する技術のことで、AI-OCRとはAI(人工知能)を組み合わせた、より高度な技術を指す。

最初は「コストをかけずに」を合言葉にスタートしたものの…

岸本(アノテテ):
今回のプロジェクトの始まりとしては、電子帳簿保存法(電帳法)への対応がきっかけだったんですよね。最初はどんな風に進められていたのでしょうか?

藤岡 様:
そうですね、社内で本格的に対応を迫られる形になって「然るべき場所に然るべき書類を収めなきゃいけないよね」という話からスタートしました。
ただ、最初から大きなシステムを入れるのではなく、「まずはコストをかけずに、かつ今後の生成AI活用も視野に入れて、今あるGoogleドライブで工夫してやってみよう」という方針になったんです。

岸本(アノテテ):
具体的にはどのように運用されていましたか?

濱田様:
各部署の従業員や取りまとめ担当の人が、請求書や見積書をGoogleドライブにアップロードしていくやり方です。
ファイル名や検索用のラベル(属性情報)を手打ちで1枚ずつ打ち込んでいくという、地道な作業です。

月1,000ファイルの壁。現場から上がった「ギブアップ」の声

岸本(アノテテ):
手動で1枚ずつラベル付けをしていくのは、かなり大変そうですね。

藤岡 様:
おっしゃる通りです。やってみたら、想像以上に工数がかかってしまって。
当社の場合、月間で扱う電子ファイルがだいたい1,000件くらいあるんですよ。それを複数人でアップロードして入力していくと、毎月トータルで「30時間」くらいその作業に消えていく計算になってしまいます。

濱田 様:
書類が集中する月末月初は、特に営業事務、デザイン発注や印刷手配の部門に大変な負荷がかかっていました。しかも、すべて手作業なのでチェック項目も曖昧になりがちで。入力ミスやラベルの付け間違いが発生するのも大きな課題でした。

藤岡 様:
現場が疲弊してしまって「このままのやり方じゃ厳しい!」と相談があり、部長会でも話題に上がりました。
そこで「自動化の仕組みを考えないとマズいな」と本格的に動き出したんです。

「Googleドライブのままで」という絶対条件

岸本(アノテテ):
そこから新しいツールの検討を始められたわけですね。選定する上でこだわったポイントはどこですか?

藤岡 様:
一番の条件は「Googleの環境のままで完結できること」ですね。社内でちょうど生成AIを全社的に活用するプロジェクトも動いていたので、登録・保存したデータの利活用の観点から、すでに基盤になっているGoogleドライブからは離れたくなかった。
一般的な既製のSaaS*サービスだと、システムそのものを新しく導入しなくてはいけないですし、将来を見越した運用フローに合わせづらいという懸念がありました。

岸本(アノテテ):
そのタイミングで、私どもアノテテにお声がけいただいたんですね。

藤岡 様:
はい。もともと当社の常務とアノテテの岸本さんがお知り合いだったんです。アノテテさんは世の中にある汎用的なAI-OCRとは一線を画す、高度な技術をお持ちだと聞いていました。そこで「Googleドライブと連携して、うち専用の仕組みを作ってくれませんか?」と相談させてもらう流れになったんですよね。
他社サービス(3社)ももちろん検討していましたが、ランニングの月額コスト、作業工数、何よりGoogleドライブとの連携を軸に比較すると、どこも微妙にマッチしない。既存のサービスでは限界があること、当社仕様に開発してもらう必要性を感じ、アノテテさんにお願いすることになりました。

(注)SaaS*とは…Software as a Serviceの略。インターネット経由でソフトウェアをクラウドサービスとして利用できる仕組みのこと。

株式会社ブンカ 営業推進部部長・藤岡 稔尚 様

開発スタートからわずか1.5カ月で稼働!丁寧かつスピード感ある対応力

岸本(アノテテ):
実際に開発が始まってからのやり取りで、印象に残っていることはありますか?

藤岡 様:
とにかくそのスピード感に驚きました! (2026年)1月中旬に最初のお声がけをして、3月初めに発注、4月にはもうマニュアルの改訂をして、5月中旬には社内アナウンスを出して本格稼働できましたから。岸本さんがしっかり進行を引っ張って、CTO(最高技術責任者)の方が猛スピードで実装してくれたおかげです。まさに大特急案件でした(笑)。

濱田 様:
開発前のヒアリングもすごく丁寧でしたよね。私たちが言語化できていない「ここが困っている」「本当はこうしたい」という潜在的な課題を、打ち合わせの中で上手く引き出して深掘りしてくれました。改めてどんなラベルが必要か、どう分類するか、岸本さんとも相談しながら見直し、最終的に「6種類のルール」に絞り込みました。

藤岡 様:
ただシステムを組むだけじゃなくて、わかりやすいデモを見せながら説明してくれたので、社内への説明や上申もすごくスムーズに進められました。資料も細やかに作られていて助かりました。

現場の作業時間が驚きの「1/10」に。ただの効率化を超えた心理的メリット

岸本(アノテテ):
5月に無事カットオーバーして、その後現場の反応や具体的な効果はいかがでしょうか?

藤岡 様:
感覚値としては、作業時間がこれまでの「1/10」になったと言っても過言ではないと思います。
何より現場から「本当に楽になった」「タスクが溜まるストレスが一切なくなった」「スピードが格段に上がった」と嬉しい声が上がっています。

濱田 様:
この変化は本当に大きいです。私自身、月に1〜2枚の処理であっても、あの入力作業そのものがすごく億劫で仕方がなかった(笑)。人によっては毎月50〜60枚も処理しなくてはいけないわけで。お金を生み出すクリエイティブな作業でもないのに、タスクとしてずっと机の上に残っている感じがすごくストレスだったんです。
それが今では、システムが自動で情報を認識してくれるので、こちらは「アップロードされた情報が合っているかチェックするだけ」で済む。気持ちの余裕が全然違いますね。

岸本(アノテテ):
「チェックだけでいい」という心理的なゆとりは、業務全体の品質や精度アップにも繋がりますよね。

藤岡 様:
間違いないです。入力ミスも確実に減りましたし、品質・速度・精度のすべてが上がりました。
おかげで残業が削減できるのはもちろん、何より、本来やるべき「価値を創造するための仕事」にみんなが時間を充てられるようになったのが、一番の成果だと感じています。

株式会社ブンカ 営業推進部 システムサービス課課長・濱田 隆 様

生まれた「余白」で未来への投資を。そして次なる挑戦へ

岸本(アノテテ):
今回の効率化で生まれた「時間の余白」は、現在どのように活かされていますか?

藤岡 様:
今、全社横断で「生成AIを使いこなそう」というプロジェクトを進めており、そのための有益な時間として使われています。
単にラクをして終わりではなく、空いた時間で「わからないなりにも自ら思考し、質の違う時間の使い方をする」という、未来に向けた前向きな社風が育ち始めています。

岸本(アノテテ):
素晴らしいですね! 今回のプロジェクトで経営企画部門の帳票識別についても対応させていただきました。そちらはいかがでしょうか。

濱田 様:
銀行の通帳のように特殊なレイアウトのAI-OCR認識が必要になるなど、難易度は高めだったと思いますが、こちらもスムーズに稼働していただくことができて感謝しています。

岸本(アノテテ):
御社オリジナルでシステムを組ませていただいたからこそ対応できたと言えます。SaaSのサービスだとどうしても一律の仕様になるので、限界が生まれてしまいますからね。

藤岡 様:
アノテテさんの技術力と対応力は期待を超えるもので、社内での評価も上々です。
というわけで、今回の成功例を踏まえて、実はもう次のご相談をしたいと考えておりまして。当社で数年来の課題である「キャンペーンの事務局代行業務」の一端をAI-OCRによって効率化したいな、と。具体的には「マストバイのレシートキャンペーンにおける、対象レシートの監査業務」です。

例えばお菓子なら
  消費者がお菓子Aを購入
    ↓
  レシートをもらう
    ↓
  レシート画像をキャンペーンサイトにアップロードするなどの方法で応募する
    ↓
 事務局が対象商品が印字されたレシートかどうかをチェックする
    ↓
  印字されていれば応募有効とする

という流れです。

この時の情報抽出の工程が実はとても厄介なのです。スーパーや販売店によってレシートのレイアウトも違うし、登録商品の表記にも揺れがあるので、現状はこれを人による「目視確認」でこなしています。これをなんとかAI-OCRで効率的に処理したい。つまりはレシート画像をアップロードするだけで、購入日時や店舗名、対象商品を自動で判定する仕組みを組み立てたいと考えています。
お伝えしたとおり、店舗ごとにレシートの印字表記などがバラバラなので、AI-OCRでの識別のハードルが高いかもしれませんが、これが自動化できたら本当に大革命! です。ぜひアノテテさんの技術力で一緒に実現したいですね。

岸本(アノテテ):
ありがとうございます! ぜひ詳しくお話を聞かせてください。
今後も現場の皆さんがよりクリエイティブな業務に熱中できるよう、全力で並走させていただきます!

本事例で活用された受託開発サービス「Boost Dev」について

「Boost Dev」は、既成のSaaSツールでは対応が難しい企業固有の業務課題やシステム環境に対し、アノテテの高度なAI技術と開発力を用いてオーダーメイドで独自の自動化システムを構築する受託開発サービスです。
既存の社内基盤を活かしたシームレスなシステム連携と、企画から稼働までスピーディーに伴走する開発体制を特徴としています。

サービス詳細: https://anotete.co.jp/service/boost-dev/

共同提案型開発「Boost Dev」