AIシステム開発会社のアノテテです。
サービスのひとつとして、AIチャットボット「Tebot(ティボット)」を提供しています。
一般的にチャットボットでは、回答として提示したい内容を、シナリオ形式またはQ&A(質問と回答)形式で事前に登録します。チャットボットはいろいろな目的で利用されますが、特に「FAQ」としての利用に適しています。当記事では、チャットボット用「FAQ」の作り方について説明します。
この記事でわかること:
・チャットボット用FAQの作成手順
・FAQの作り方のコツ
・FAQを自動生成する機能の概要
1. チャットボット用のFAQとは
FAQ(Frequently Asked Questions)とは、「よくある質問(とそれに対する回答)」という意味です。企業のホームページ上にある「FAQ(よくある質問)」というページのように、サイト上に掲載された質問一覧を指すことが多いです。顧客満足度向上を目的としたカスタマーサポートの一環で、顧客がなにか分からないことがあったときに、自分でその疑問を解決できるようにまとめられたものです。
サイト上に掲載したFAQでは、利用者は知りたい情報を目で探すか、ページ全体を検索して、回答(と思われる箇所)を見つけます。いつでも閲覧できて便利ですが、情報量が多いと探すのに時間がかかり、面倒に感じるかもしれません。場合によっては、見つけられない可能性もあります。
そのため、FAQにより利便性の高いチャットボットを活用する企業も増えてきました。
チャットボット用FAQを導入する場合、以下のメリットが挙げられます。
✓ FAQのように事前に想定が可能な質問への対応に適している
✓ 選択肢を選ぶかキーワードを入力するだけで、簡単に欲しい情報を得ることができる
✓ 利用者がキーワードを入力した際は、表現のゆれも考慮し柔軟な対応が可能
2. チャットボットの種類は主に2つ
技術の進歩が早いITツールですが、チャットボットの種類は大きく次の2つに分けられます。
シナリオ型チャットボット
シナリオ型チャットボットでは、フローチャート形式で、ユーザーは提示された選択肢を選びながら知りたい情報へとたどり着けます。
Yes/No形式や選択肢から答えを選んでいくだけなので、回答できる内容は限定され、イレギュラーな問いには回答できません。シナリオ型は、内容が明確に分類できる場合や、FAQの数が少ない場合に適しています。
AI型チャットボット
AI型チャットボットでは、質問を自由な言葉で入力できます。
AIが入力された単語や文章の意味を認識して、適切だと判断した回答を提示します。入力された文章の表現にばらつきがあっても、同じ意味のものは同じ内容だとAIが判断するため、シナリオ型よりもより複雑で広範囲な問い合わせにも対応が可能です。
3. チャットボット用FAQの作成前に準備すること
広範囲なFAQに対応したい場合には、AI型チャットボットが適しています。ただし、準備を怠っては効果的なチャットボットにはなりません。導入後に「思っていたのと違う」「余計な業務が増えた」とならないよう、以下の2点に注意して準備することをおすすめします。
導入の目的を決める
チャットボットはなんのために導入するのか、だれに向けてのものなのか、その目的を明確にすることが大切です。
チャットボットは、様々な目的で活用できますが、なにもかもひとつのチャットボットで解決するのはおすすめしません。ひとつのチャットボットには、ひとつの目的に絞った方が効果的です。
使い勝手のよいチャットボットにするために、事前に導入目的とターゲットを決めておきましょう。
▶例1:会員向けカスタマーサポート ⇒顧客ロイヤリティ向上
[ 導入目的 ] 購入済商品についての情報、サポート内容、会員向けサービス等に関する疑問を解決してもらう
[ ターゲット ] これまでにサービスを利用したことのある顧客・会員
▶例2:潜在顧客向けサポート ⇒自社サービスの情報提供
[ 導入目的 ] 注文・支払い・サービス内容についてなど、一般的な疑問を自分で解決してもらう
[ ターゲット ] サービスを利用するか検討中の潜在顧客
目的があいまいだと、不要なFAQを大量に登録してしまうリスクがあります。利用者に最終的にはどのような行動をとってもらいたいのかを明確にしてから、FAQを作成しましょう。
担当者を決め、体制を整える
導入時だけでなくその後のメンテナンスも管理する、チャットボットの担当者を決めておくとスムーズに運用できます。複数のメンバーで管理する場合も、メイン担当者を決めて、メンバー間で役割分担を決めておきましょう。
メイン担当者が決まっていなかったことが原因で、せっかく導入したチャットボットがうまく機能しなかった「失敗事例」もあります。複数の関係者がそれぞれFAQを作成して、各自がそのまま登録してしまったために、表現やルールにばらつきがありました。同じ内容が表現を変えて重複していたり、不要なFAQが大量に登録されたりして、使い勝手が悪いチャットボットになってしまいました。
こちらの記事では、失敗事例を紹介しています。
4. チャットボット用FAQの作り方と手順
準備が整ったら、上記のステップでFAQの原稿を作成します。
できるだけたくさんの質問にチャットボットで回答させたい気持ちになりますが、準備の際に決めた目的をもう一度確認してください。使い勝手のよいチャットボットにするために、FAQは目的に沿って簡潔にまとめましょう。
Step1. 質問と回答の元となる情報を集める
電話、メール、フォームなどで対応してきた過去の問い合わせ履歴から、FAQに登録する質問とその回答をピックアップします。これまでに何度も質問があったものは、今後も頻繁に問い合わせがあると予想されるので、最優先で登録します。また、商品やサービスのマニュアルを参考に、ユーザー視点で、疑問に思いそうなことを考えて質問をつくっていきましょう。
過去の質問とその回答内容がきちんとリスト化されている場合や、すでにFAQとしてまとまっている場合は、そのまま利用できます。もし整理されていないならば、過去にさかのぼって大量のデータからの洗い出しになるので、ちょっと大変な作業になることが予想されます。ただ、この作業は最初の導入時だけですし、ここできちんとしておくと、その後の運用がスムーズになります。
Step2. 集めた情報をリスト化し整理する
集めた情報を内容によってカテゴリに分けて、リスト化します。
このとき、各質問がFAQとして適切かどうか再度確認し、不要なものがあれば除外しましょう。「不要なもの」とは、「一般的でないもの」です。滅多に生じない特別なケース、専門的すぎる内容、個人情報が含まれるもの、古い情報、などです。優先度が低いものも、除外してかまいません。
FAQの数が多すぎると、かえって使い勝手の悪いチャットボットになってしまいます。必要なものは確実に登録し、不要なものは削除するという、取捨選択と優先順位が大切です。
Step3. 質問文、回答文を作る
整理したFAQリストをもとに、チャットボットに登録する質問文と回答文を作成していきます。最初に文章作成のルールを設定しておくと、チャットボットの口調が統一されます。
▶文章作成ルールの例
・文章のスタイル: ビジネス風の丁寧な口調 or 親しみやすい軽めの口調 など
・表記の統一:漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、略号 など
・用語:専門用語は避け、ユーザーが理解できる表現に置き換える
チャットボットでは長い文章は向いていません。簡潔に回答するようにしましょう。
5. チャットボット用FAQの作り方コツ
前章では3つのステップに分けて、FAQを作る手順を説明しました。もう少し詳しく、FAQを作る際の”コツ”をお伝えします。
ユーザー目線でFAQを作成する
ユーザーの視点からFAQを考えてみましょう。一般のユーザーは、どこに疑問を持って、どのような表現で質問をするでしょうか。そして、その疑問を解決するために、ユーザーはどんな回答を期待しますか?商品やサービスの内容をまだよく知らないユーザーの立場にたって、基本的な情報も含め、簡潔で分かりやすい回答が提示されるようにしましょう。
チャットボットでは回答できない質問や、トラブルなど緊急に対応すべき問い合わせも予想されます。その場合は、チャットボットから有人チャットに接続して、オペレータが直接対応できるような柔軟な仕組みをつくっておくと安心です。
読みやすいデザインを心掛ける
チャットボットは、小さな吹き出しに文字を表示するので、読みやすさが重要です。長い文章や、ごちゃごちゃした印象を与える吹き出しだと、利用者は読むのをやめてしまうかもしれません。
利用者は、小さな画面で文章を読むこと、すぐに回答がほしいと思っていることを念頭に見た目にも配慮した回答を作りましょう。例えば以下の点です。
「短文では説明しきれない」「丁寧に解説したい」というときは、画像添付やリンク設定で情報の補足が可能です。チャットボットで「詳細はこちらをご覧ください」などと答えて、画像や関連ページへ誘導するなどの工夫をすると、読みやすく簡潔なデザインでも、解決率が高いチャットボットになります。
さりげなく自社の強みやPRを入れる
潜在顧客向けのFAQであれば、自社の商品やサービスに魅力を感じてもらえるようなQ&Aや文言をさりげなく追加しておくのも一つの手です。
たとえば、
「配送費用はかかりますか」という質問には、基本の費用を掲示した上で、「自社配送のみ行っており、万一の配送トラブルにもすみやかに対処可能です」といった強みを入れる
「費用はいくらですか」という質問には、基本の料金体系を提示した上で、「~の費用が含まれています」「無償サポート付きです」といった、お得感を感じるポイントを追記する
といった工夫ができますね。
さらに、直接の問い合わせを希望する利用者のために、必要に応じて問い合わせフォームへ切り替わったり、連絡先(電話番号やEmail)が表示されるようなつくりにしておくと、親切です。
6. ChatGPTでFAQを自動生成する場合
FAQの作り方について手順とコツを説明しましたが、効果的なFAQが作れそうでしょうか?
① 膨大な量の過去データと最新の関連資料を集める
② 集めた情報の取捨選択、リスト化、整理
③ FAQ用にひとつひとつ文章作成
という一連の作業は、多くの労力と時間を要します。
普通にやると気が遠くなりそうなこの作業を、大幅に簡略化できる方法があります。AIチャットボット「Tebot(ティボット)」に搭載されている「Q&A自動生成」機能を使えば、いちばん面倒な③の作業を自動化できます。
生成AI(ChatGPT)と連携したこの機能では、FAQ作成に使いたい文章をTebotに読みこませるだけで、その内容にもとづいたQ&Aが瞬時に作成されます。文章を読ませるには、以下の3つの方法がありますので、都合のよい方法を利用してください。
作成されたFAQデータはExcelファイルでダウンロードでき、確認後そのままの形式で登録できます。「FAQの原稿を作るのは面倒」「そんな時間は取れない」という悩みを解消できる機能です。
7. 初期導入の手間を削減できるAIチャットボット「Tebot」
チャットボットの導入をためらう理由のひとつに、「初期設定が面倒なこと」が挙げられます。特にFAQの作成と登録には、「膨大な時間がかかるのでは?」と不安な方もいらっしゃると思います。
AIチャットボットサービス「Tebot」の「Q&A自動生成」機能は、そんな不安を解決いたします。標準装備なので追加費用は不要です。さらに、すべての初期設定をスタッフが無償でサポートいたします。
Tebotの「Q&A自動生成」機能を含む全機能は、14日間の無料トライアルが可能です。
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