【テンプレあり】自治体用シナリオ型チャットボットの具体的な作り方

活用ヒント

AIシステム開発会社のアノテテです。サービスのひとつとして、AIチャットボット「Tebot(ティボット)」を提供しています。  

以前、自治体でのシナリオチャットボットに関する基礎知識をご紹介しました。
当記事では、自治体用チャットボットをテーマに導入事例とチャットボット用シナリオの具体的な作り方をご説明します。

こちらでご紹介するテンプレートは、無料でダウンロードできます。ぜひご活用ください!

この記事でわかること:
・自治体での導入事例と使われ方
・自治体でのシナリオ型チャットボットの作成方法
 +自治体で使えるシナリオ型チャットボットのテンプレートプレゼント

1. 自治体でチャットボットが必要とされる理由

自治体でチャットボットが必要とされる背景

日本では、現在急速に少子高齢化が進んでいて、人口減少が懸念されています。国の調査によると、2050年には東京を除くすべての道府県で、人口が現在より減少すると予測されています。また、民間の有識者グループ「人口戦略会議」は、全体の4割にあたる744の自治体が「最終的には消滅する可能性がある」と分析しています。※

近い将来、職員数が大幅に減少したとしても、自治体には住民が安定した生活を送れるようなサービスの提供が求められます。このような状況下で、継続して充実した住民サービスを続けていくためにはチャットボットをはじめとしたAIの活用が重要となってきます。
特に、チャットボットの活用は職員の業務効率化や住民サービスの向上にとても役立ちます。低価格で手軽に導入できるサービスも増え、チャットボットを活用する自治体は年々増えています。

参照記事
人口減少の日本 2050年にはどうなる 最新データからわかること
“消滅する可能性がある”744自治体 全体の4割に 人口戦略会議

2. 自治体で活用されるチャットボットの事例

現在実際に自治体で利用されているチャットボットの導入事例を、2件ご紹介します。(※2024年12月現在のものです)

東京都の場合(AIチャットボット)

東京都公式サイト:https://www.metro.tokyo.lg.jp/index.html

AI型チャットボットの例

東京都のサイトを開くと、右下に小さく「ご質問にチャットボットがお答えします」と書かれたボックスが現れます。ここをクリックすると「チャットボット総合案内」が表示されます。

このチャットボットでは、都民が質問したいと思われること全般をカテゴリに分けて提示しています。選択肢形式(シナリオ型)と自由入力型(AI型)を併用しており、選択肢を選んでも、文字で質問を入力しても、回答が得られる仕組みです。

自由入力型では思いついた言葉を入力して質問できるので、広範囲な質問に対応できます。ただし、AIを搭載している分、費用は高くなります。

京都市の場合(シナリオ型チャットボット)

京都市マイナンバー特設サイト:https://kyotomn-branch.com/

シナリオ型チャットボットの例

京都市では、マイナンバーに関する問い合わせに特化したチャットボットを専用ページに設置しています。

目的をひとつに絞るとチャットボットで回答する内容が限られるので、シンプルな選択肢形式(シナリオ型)での作成が可能です。

多く寄せられる質問をチャットボットで回答し、個別に対応が必要な場合には問い合わせ先電話番号を表示することで、市民からのほぼすべての質問に対応できます。

選択肢形式のチャットボットは機能がシンプルで使いやすく、入力に慣れていない住民でも簡単に質問できます。機能の制限はありますが、通常は低価格で利用が可能です。

3. 自治体シナリオ型チャットボットの作成例

自治体用シナリオ型チャットボットを作成する際の手順

自治体のサイトにチャットボットを導入する際は、住民からの問い合わせが多い内容を優先するとすぐに効果が期待できます。
今回は市民にとって日常的な「ごみについて」の質問を例に、シナリオ型チャットボットの具体的な作成手順をご紹介します。

Step1: 質問を用意する

まずは「ごみについて」の質問を準備します。今住民から多く寄せられる質問をリストアップし、カテゴリ分けを行います。

今回は以下6つのカテゴリに質問を分類し、それぞれ想定される質問を洗い出しました。
 1. ごみの分別
 2. ごみの出し方
 3. 大型ごみ
 4. 危険ごみ
 5. その他のごみや特殊なごみ
 6. ごみ処理に関する一般的な質問

1. ごみの分別に関する質問
1.1 可燃ごみ
可燃ごみにはどのようなものが含まれますか?
可燃ごみはどの袋に入れて捨てるべきですか?

1.2 不燃ごみ
不燃ごみとは何ですか?
不燃ごみにはどのような品目が含まれますか?
不燃ごみを捨てる際の袋の色に決まりはありますか?

1.3 プラスチックごみ
プラスチックごみの具体例を教えてください。
プラスチックごみと他のごみの見分け方は?
プラスチックごみはどの曜日に出せばいいですか?

1.4 リサイクル可能なごみ
リサイクル可能なごみには何がありますか?
リサイクル可能なごみの出し方に注意点はありますか?

1.5 生ごみ
生ごみを処理する際の注意点はありますか?
生ごみを出す頻度や袋の種類に決まりはありますか?

2. ごみの出し方に関する質問
2.1 ごみを出す時間と曜日
ごみを出す曜日はどこで確認できますか?
ごみを出す時間帯には制限がありますか?

2.2 ごみ袋の種類・色
京都市指定のごみ袋はどこで購入できますか?
ごみ袋の色やサイズに指定はありますか?

2.3 ごみの出し方の注意点
ごみ袋に穴が空いた場合、どうすれば良いですか?
ごみを出す際に袋を縛る必要はありますか?

3. 大型ごみに関する質問
3.1 大型ごみの定義
大型ごみにはどのような品目が含まれますか?
大型ごみの基準サイズや重さは?

3.2 大型ごみの処理方法
大型ごみはどのようにして出せばいいですか?
大型ごみの収集を依頼するにはどうすれば良いですか?
大型ごみを自己搬入できる場所はありますか?

3.3 大型ごみの費用
大型ごみを出す場合、費用はいくらですか?
大型ごみ処理券はどこで購入できますか?

4. 危険ごみに関する質問
4.1 危険ごみの例
危険ごみにはどのようなものがありますか?
危険ごみを一般ごみと一緒に出すことはできますか?

4.2 危険ごみの出し方
危険ごみを出すときに特別な注意点はありますか?
危険ごみの収集日や収集方法に関するルールは?

5. その他のごみや特殊なごみに関する質問
5.1 電化製品・家電
古い電化製品はどのように処理すれば良いですか?
エアコンや冷蔵庫の回収方法について教えてください。

5.2 紙類・段ボール
紙や段ボールの正しい出し方は?
濡れた紙はリサイクルに出せますか?

5.3 リサイクルボックス
京都市内のリサイクルボックスの設置場所はどこですか?
使用済み乾電池や小型家電の処理方法は?

6. ごみ処理に関する一般的な質問
6.1 ごみ処理費用
ごみの収集費用はどのように負担されますか?
ごみ処理手数料が必要な場合の支払い方法は?

6.2 ごみ収集が休止される日
ごみ収集が休止されるのはどのような日ですか?
休止日のごみはいつ出せばいいですか?

6.3 トラブル・苦情
近隣のごみ出しマナーが悪い場合、どうすれば良いですか?
ごみ収集に関する苦情はどこに連絡すればいいですか?

Step2: 質問を整理する

次に、洗いだした質問を整理してシナリオの骨組みを作ります。選択肢を順番に選んでいき、最後に回答にたどりつくフローチャートのイメージです。

ポイント
– 階層は3階層くらいが理想 (階層が深いと質問数が多くなり、利用者にとっては面倒)
– 簡潔な表現を使用 (見てすぐ選択肢が分かるようにする)

シナリオチャットボット作成時の階層イメージ

Step3: シナリオ形式で下書きをする

Step2で作成した質問を、フローチャート形式にして原稿を作成します。フォーマットに決まりはないので自分が使いやすいもの(ワード、エクセルなど)を使ってください。手書きでもOKです。
回答を作成する際は、自然な会話の流れを意識し、簡潔な文章を心掛けてください。

※弊社ではシナリオ作成用のテンプレートも配布しております。
※視覚的にシナリオを作成することができるフローチャートタイプと、リスト形式でのテンプレートをご用意しておりますので、使い勝手のよい方をご利用ください。

Step4: シナリオ以外の対応方法を検討する

シナリオの骨組みが完成したら、特別なケースや個別対応が必要な場合などシナリオでは回答できない質問があることも想定して、以下の対応方法も検討します。

■問い合わせ用の電話番号を記載

必要な場合のみ、チャットボットに電話番号を記載するのも効果的

チャットボットでは回答を見つけられなくても、担当部署の連絡先を案内してもらえれば、住民はすぐに電話をして疑問を解決できます。

たとえば、2章で紹介した京都市のマイナンバーカード案内用のチャットボットでは、質問の回答が得られなかった場合に限り、窓口の電話番号と受付時間を案内しています。

■チャットボットから有人チャットへ切り替え

チャットボットに有人対応を追加した場合の管理画面
有人チャットの管理画面のイメージ

既存のシナリオで回答ができない場合は、有人チャットに切り替えて個別に対応することで顧客満足度の向上も見込めます。

有人チャットでは、リアルタイムで顧客のニーズに沿ったきめ細やかな応対が可能です。 チャットボットが得意とする一答一問形式での対応が難しい場合の補助ツールとしてご検討ください。

Step5. 管理画面に入力する

シナリオチャットボットの作成画面例

作成したシナリオの原稿をもとに、チャットボットの設定画面でデータを登録します。操作に慣れていないと、この初期設定に時間がかかるかもしれません。

※弊社では、シナリオ登録を含む初期設定を無償で代行登録しております。無料トライアルは、シナリオ登録済みのデモ用ボットでお試しいただけます。

4. 自治体用シナリオ型チャットボットのテンプレート

前章で例として作成した「ごみについて」のシナリオ設計書を、無料でダウンロード頂けます。
シナリオ構築時のヒントとしてぜひご活用ください!

※このシナリオで作成したデモ用チャットボットを実際にお試しいただくことも可能です。
ご興味のある方は、support@tebot.jpへお問い合わせください。

5. 予算に余裕があればAI型チャットボットも

予算に余裕があり、もっと広範囲で複雑な質問にもチャットボットで対応したい場合には、自由入力形式のAI型チャットボットもご検討ください。AI型はシナリオ型より高額になりますが、手頃な料金プランのサービスも多く存在します。

弊社のAIチャットボット「Tebot(ティボット)」では、シナリオ型はもちろん、自由入力形式の「AI型」、「生成AI型」のプランもご提供しています。各クライアント様に最適なプランや参考となる導入事例をご紹介させていただきます。

6. 自治体でも導入しやすいチャットボット「Tebot(ティボット)」

「Tebot(ティボット)」は、月額9,800円・初期費用0円で導入可能な業界最安水準のAIチャットボットです。
導入に不安がある自治体様/企業様でも、シナリオ登録を含む初期設定の無償サポート付きで、安心して導入していただけます。

AIチャットボットサービス「Tebot
  • シナリオ機能とAI(人工知能)を兼ね備えた複合型チャットボット
  • Q&A自動生成機能あり(ChatGPTと連携)
  • 初期設定無償代行など、導入から運用開始後も手厚いサポート付
  • 業界最安水準の価格設定
  • 14日間の無料トライアルあり
  • 生成AI回答オプションあり
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クライアント様のご要望に応じた開発も可能です。
アノテテ独自の言語理解AIとマルチモーダルAI技術でビジネスの効率化・売上寄与・新規ビジネス創出支援のための確かな手段を提供します。

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