AIシステム開発会社のアノテテです。
サービスのひとつとして、AIチャットボット「Tebot(ティボット)」を提供しています。
Webサイトでチャットボットを目にする機会が多くなりましたね。カスタマーサポートの窓口としてチャットボットを利用する企業は年々増えています。チャットボット導入を検討されている方のために、今回はカスタマーサポートでの導入メリット、活用事例をご紹介します。
この記事で分かること:
・カスタマーサポートにチャットボットを導入するメリット
・チャットボット導入時の注意点
・チャットボットのカスタマーサポートでの活用事例
1. チャットボットがもたらすカスタマーサポートへの変化とは
カスタマーサポート分野でのAIの活用は組織に大きな利益をもたらすことが期待され、チャットボットを導入しているかどうかについても、組織の業績や顧客満足度にも影響があることが分かってきました。
アメリカ業界大手のITアドバイザリー企業Gartnerは、「2026年までにコンタクトセンター内でのAIの導入により、エンドユーザーの人件費は800億ドル削減される」と述べ、多くの企業が人件費削減の必要性に直面していると指摘しています。
参考記事:Gartner.com「Gartner Predicts Conversational AI Will Reduce Contact Center Agent Labor Costs by $80 Billion in 2026」
また、Salesforce社の調査によると、業績の良いサービス組織は、業績が低い組織に比べて2.1倍の割合でAIチャットボットを使用しているとのこと。AIチャットボットを使用している組織の64%が複雑な問題の解決に時間を費やすことができる一方、AIチャットボットを使用していない組織ではその割合が50%であることも明らかとなりました。
参考記事:salesforce.com「What Is a Chatbot and How Is It Changing Customer Experience?」
チャットボット導入は、コスト削減はもちろん、時間の有効活用で顧客満足度UPにもつながります。
2. チャットボットでカスタマーサポート対応するメリット
カスタマーサポート業務にチャットボットを活用すると、以下のようなメリットが期待できます。
業務コストの削減
チャットボットをカスタマーサポートで利用するメリットのひとつに「コスト削減」があります。
特にカスタマーサポート部門において、ユーザーに適切な品質を提供するには、
・社内での研修、トレーニングコスト
・時間外手当を含む1人当たりの労働費
・離職による再雇用時かかる時間と費用のコスト
等が必要となりますが、チャットボットはそれらの人件費を削減し、よりコストを低く抑えることができます。
もちろんスタッフによる直接対応が必要なケースもありますが、その際はシンプルかつ煩雑な対応をチャットボットで行い、その他の複雑な業務をスタッフが丁寧に行うことでより顧客満足度の高いカスタマーサービスの提供が可能となります。
「人員不足だ」と感じたとき、まずは業務の一部をチャットボットで補えないか検討してみてください。人件費よりも低コストで業務を自動化できる可能性があります。
対応スピードの向上
チャットボットの大きなメリットは、その対応スピードです。人間のように考えたり調べたりする時間はほとんど必要なく、即座に回答が表示されます。
顧客は、電話口で待たされると不安になったりイライラしたりしますし、メールの場合もいつ返事がくるのか気になってストレスを感じ、その企業やサービスに対する不満が大きくなることもあります。
チャットボットなら、顧客は営業時間を気にしないで365日24時間いつでも質問でき、疑問はすぐに解決します。顧客のストレスが減って、顧客満足度の向上にもつながります。
データの収集が可能
チャットボットには顧客とチャットボットとのやり取りが記録され、そのデータを蓄積できることもメリットのひとつです。
データを分析することで、これまで気づかなかった顧客のニーズや、自社サービスの課題などを発見できます。顧客の心理や行動について理解を深め、費用対効果の高いマーケティング施策のヒントとしてデータを活用できます。
集めた情報は社内で共有し、スタッフのトレーニングにも活用できます。
3. チャットボットでカスタマーサポート対応をする際の注意点
チャットボットの導入で、大幅な業務の効率化が可能です。ただし、作り方によってはかえって業務が煩雑になることもありますので、主に以下の3点に注意してください。
導入目的を絞ること
導入前に、目的を明確にすることが大切です。
幅広い内容をすべてチャットボットで解決しようとすると、提示される選択肢が多くなったり、適切な回答が表示されなかったりして、使いにくいチャットボットになってしまいます。管理も複雑になり、かえって業務量が増えることにもなりかねません。
たとえば、以下のように目的を明確にした構成にすることで、効果的なチャットボットになります。
ひとつのチャットボットはひとつの目的にしぼって運用すると、利用者に提示すべき回答・情報に一貫性をもたせることができ、使い勝手のよいチャットボットになります。また、メンテナンスの際にも修正・補足すべき内容を決めやすく、管理がしやすくなります。
混乱させないシナリオ作りを心掛ける
利用者が「簡単」「使いやすい」と感じるチャットボットを心掛けてください。「めんどくさい」「使い勝手が悪い」と思われると、せっかくのチャットボットも利用してもらえません。そのためにはシナリオの構成が大切です。
使いやすいシナリオには、いくつかコツがあります。
といったものです。
具体的な作成方法や注意点などについては以下の記事で解説しておりますので、ぜひご参考ください。
(シナリオ作成用のテンプレートもダウンロード可能です)
緊急を要するケースには不向き
カスタマーサポート対応の際、緊急性の高い質問にはチャットボットは向いていません。
特にトラブルや苦情の場合は、チャットボットで解決することは難しい上、迅速かつ丁寧な回答が求められるので、チャットボットではなくスタッフによる対応ができるように、有人チャットも併用するとよいでしょう。
予め登録した内容のみを回答する自動対応のチャットボットでは、先方の感情を理解して共感することはできませんし、適切なタイミングと言葉で謝罪をすることも難しいです。有人チャットであれば、ユーザーの気持ちに寄り添った丁寧な対応ができ、大きなクレームになる前に解決できる可能性が高くなります。
チャットボットでの有人対応についてはこちらをご参照ください。
4. チャットボットを活用したカスタマーサポートの事例
カスタマーサポートでAIチャットボットを利用されている事例をご紹介します。
事例1.食品宅配サービスでのよくある質問に回答
食品の宅配サービスを行っているL社様はよく寄せらせる質問の回答にチャットボットを活用されています。
宅配サービスの場合、ユーザーからの問い合わせ内容はだいたい決まっており、「サービスの仕組み」「入会や退会の手続き」「商品注文について」「利用料金」「支払い方法」などになります。
サービスや手続きなど、誰に対しても同じ回答になる質問にはそのままチャットボットで回答し、チャットボットでは対応できないもの(個別の注文内容、個人情報の入力が必要なもの、など)は、チャットボットからのリンクで自社サイト・問い合わせフォームへと誘導しています。
チャットボットとリンクの活用により、ほとんどの問い合わせがチャットボット経由で対応できるようになり、電話での問い合わせ件数が減少したとのことです。
事例2. 電子機器の製品情報やトラブルシューティングに対応
株式会社コムテック様は、電子精密機器の製造・販売をされています。取り扱い製品は多岐にわたり、製品ごとに仕様・部品・操作方法など、お客様からの問い合わせは広範囲で、とても細かい内容となります。電話やメールでの問い合わせに1件ずつ返信するには大変な時間と手間がかかるため、チャットボットを導入されました。
シナリオは、対象製品や知りたい情報などを順に選択していけば、すぐに回答を得られるように工夫されています。必要に応じてマニュアルや関連アプリのダウンロードを案内したり、対応部品・オプションなどの一覧が確認できるサイトへ誘導するなど、お客様が自分で回答を見つけられるような作りになっています。また、不具合や故障があった場合も、製品別・症状別にその原因や対処方法を表示し、トラブルシューティングとしても活用されています。
お客様がチャットボットで疑問を解決できるようになったことで、メールや電話での直接問い合わせの削減へとつながりました。
事例3. 自治体の施設利用案内に対応
札幌市民プラザ様は、施設の利用案内にチャットボットを活用されています。
開館時間、アクセスなどの一般的な利用案内だけでなく、最新のイベント情報なども、シナリオ形式の選択肢で対応しています。イベント情報は頻繁に更新されますが、チャットボットには細かい情報を登録せず、公式サイトへのリンクを設定しています。常に最新の情報にアップデートされるサイトを案内していれば、いちど作成したシナリオを修正する必要はありません。
細かい質問にも対応できるようにQ&Aも充実していて、利用者は自由入力でも質問ができるようになっています。シナリオとQ&A、そしてリンクの活用で、通常の問い合わせについてはほぼチャットボットで対応できます。
事例4. Eコマースでのよくある質問回答・リード獲得
M社様は、ECサイトで商品を販売されています。シナリオ型・QA型のチャットボットを併用し、新規会員登録の案内、商品全般の情報、サービス内容、各種手続きについてなど、会員が知りたい内容をすぐに提示できるように工夫されています。
シナリオでは、「前の選択肢へ戻る」というボタンが随所にあり、利用者が簡単に選択肢を選びなおせるので、チャットの途中で離脱することなく疑問が解決できるような丁寧な流れになっています。1日の平均でみると、600~700名程度の会員がチャットボットを利用しています。質問数にすると約3,000件、解決率は95%以上です。
M社様にとっては大幅な業務削減につながっている上、会員の方にとっても、営業時間を気にせず簡単に登録・問い合わせができる大変便利な仕組みとなっています。
5. カスタマーサポートに活用しやすい「Tebot」
チャットボットがカスタマーサポートに有用であることは分かっても、いざ導入となると気になるのは「費用」と「工数」ですね。一般的には初期費用が必要だったり、初期設定に手間がかかったりします。
Tebotなら、シナリオ型チャットボットを月額9,800円でご利用可能です。また、面倒な初期設定は、スタッフが無償でサポートいたします。
各企業様のご希望や課題に応じたご提案をさせていただきます。カスタマーサポートにぴったりのチャットボット「Tebot」を、まずは無料トライアルをお試しください!