社内FAQはエクセルで十分?FAQシステムやチャットボット導入時と比較

活用ヒント

AIシステム開発会社のアノテテです。
サービスのひとつとして、AIチャットボット「Tebot」を提供しています。

「従業員からいつも同じような問い合わせが届く」
「担当者以外は従業員からの質問に回答できない」
「スタッフによって顧客対応の質にばらつきがある」

といった課題を持つ部署はたくさんあります。

「同じ質問には決まった回答を返し、回答内容にばらつきがない」「特定の担当者不在でも対応可能」…そんな仕組みを作ることができたら便利ですね。すぐに思い浮かぶのはMicrosoftのエクセルを使ったFAQのデータ整理でしょう。

当記事は、業務効率化、社内でのナレッジ共有を図るための「社内FAQ」について、エクセルを使う場合と、代表的なWebサービスを利用する場合についてまとめています。

▼この記事で分かること
・社内FAQってどんなもの?
・エクセルは社内FAQのツールに向いている?
・FAQシステムやチャットボットは検討すべき?

1. 社内FAQとは

FAQとは「Frequently Asked Questions」の頭文字からとった言葉です。「よくある質問とそれに対する回答」という意味で、特に企業内でのよくある質問と回答をまとめたものを「社内FAQ」と言います。

社内FAQには次のように大きく2種類の利用目的があります。

1. 従業員からの問い合わせ向け

従業員からの問い合わせが多い管理部門には、日々同じような質問が届きます。例えば、
 「有給休暇の申請方法を知りたい」
 「出張費の精算をしたい」
 「パソコンにログインできない」 ….といった一般的な問い合わせです。

担当者からしてみれば、だれから届く質問もほぼ同じ内容なのに、1件ずつ同じ返事を返していては時間がかかって効率が悪いですね。このように頻繁に届く問い合わせとその回答を「社内FAQ」としてまとめて、従業員も閲覧できるようにしておけば、従業員は自分で回答を得ることができます。従業員が自己解決することにより、管理部門の業務効率化にもつながります。

2. 顧客からの対応支援向け

コールセンターのような顧客対応の部署でも、社内FAQが活用されています。
商品・サービスに関する質問や、クレーム対応など、自社サービスについての質問には決められたルールに基づいて回答を返す必要があります。オペレーターが不慣れな場合は対応に時間がかかったり、場合によっては誤った回答をしてしまう可能性もあります。

社内FAQで顧客対応に必要な情報を共有しておけば、オペレーターの経験等に関係なくだれでも適切な回答ができるようになります。新しいスタッフでもすぐに回答を確認できるので、即戦力になりますね。

▶FAQとQ&Aとの違いは?
似たような用語でQ&A(Question and Answer)という言葉があります。Q&Aは「質問と回答」という意味で、質問の頻度については関係なく、想定される質問と回答を網羅した一覧です。Q&Aの中でも特に頻繁に質問されるもの、問い合わせ実績をもとにしてをまとめたものがFAQです。

—————-

2. エクセルで社内FAQを作成するメリット

エクセル操作に慣れていると、FAQもエクセルで簡単に作成できそうに感じますね。もちろん、エクセルでの作成・管理は可能です。エクセルを利用する場合のメリットとして以下の2点が挙げられます。

1. Office導入済みなら無料ですぐ始められる
Microsoft Officeを導入していれば、エクセルもPCに入っていますね。業務用PCでエクセルを使っているなら追加費用は不要です。無料で今すぐ社内FAQを作ることができます。

2. 操作が簡単で、教育コストがかからない
基本的なPCスキルがあり、簡単なエクセル操作ができれば、だれでもすぐFAQの作成作業を開始できます。特別な知識はいらないので、操作にかかわる教育コストも不要です。

3. エクセルで社内FAQを作成するデメリット

最も手軽に利用できるツールはエクセルですが、FAQを作成・管理するにはデメリットもあります。管理する際と利用する際の両方からデメリットを確認します。

管理・編集者側のデメリット

エクセルで社内FAQを作成した場合の管理・編集者側のデメリット

社内FAQをエクセルで管理する場合のデメリットには以下の3つがあります。

1. 情報量が増えるとファイルが重くなる
情報量が増えるにつれて容量も大きくなります。ファイルを開くたび、何か操作をするたびに時間がかかるようになり、編集や更新の際に使い勝手が悪くなる可能性があります。ファイルが重くなると、それにアクセスする従業員にとっても不便です。

2. データ紛失のリスク
エクセルファイルの更新、管理は手動で行われます。共有する人数が多いほど、誤操作によってデータが消えてしまったり、誤った情報が上書きされてしまったりするリスクが高まります。また、ファイルそのものが削除されてしまう危険性もあります。

3. アクセスデータがとれない
社内FAQには、よく聞かれる質問もあれば、反対に全く問い合わせがない質問もありますが、エクセルファイルでは質問ごとのアクセス状況を把握することはできません。

どの質問に多くアクセスがあるかを知ることで、現行の社内システムや職場環境の課題や改善点が明らかになることもあります。エクセルでは問い合わせ頻度を数値化することはできないため、社内ナレッジの蓄積と共有が難しくなります。

利用者側のデメリット

エクセルで社内FAQを作成した場合の利用者側のデメリット

社内FAQは利用者(従業員)にとっての使い勝手が重要ですが、エクセルを使用すると以下のようなデメリットがあります。

1. アクセス性・検索性が悪い
社内FAQファイルの保存場所を知らない、または忘れてしまった場合、ファイルを探すのに時間がかかり、結果として面倒になります。さらにFAQデータが蓄積されていくと、キーワード検索では多くの該当箇所が出てきてしまい、必要なFAQを見つけるのに手間と時間がかかります。

2. 視認性が低い
エクセルでも画像や図を貼付することが可能ですが、レイアウトを自由に整えることは難しいです。該当箇所を見つけることができたとしても、内容を理解しにくい場合があります。
利用者は、回答の「見つけやすさ」だけでなく、「正確さ」「分かりやすさ」も求めています。

以上のように、エクセルは導入コストが極めて低く、取り急ぎ始められるツールとしては重宝しますがデメリットも多く挙げられます。

ここからはエクセルよりも効率的かつ効果的ににFAQを作成・管理が可能なツールをご紹介いたします。

4. エクセル以外の方法① FAQシステム


FAQの取扱いに課題を感じ、特化したシステムを導入している企業も少なくありません。「FAQシステム」の導入はエクセルの代用ツールとして最初の候補となるでしょう。

FAQシステムとは

FAQシステムとは、社内で蓄積したナレッジを記事化し、それをもとにFAQ専用ページの構築を可能にするコンテンツ管理システム(CMS)です。導入するためにWebサイトやシステム開発に関する専門知識は不要で、基本的なPC操作で簡単に自社用のFAQを作成・運用することができます。

社内FAQシステムを利用したページ例
FAQシステムの活用イメージ

企業のサイトにある「よくあるご質問(FAQ)」ページは顧客向けのFAQで、FAQシステムも多く利用されています。社内向けFAQは社外の一般利用者が目にすることはありませんが、その仕組みは顧客向けのものと同じです。

よく問い合わせを受ける質問を整理し、記事としてまとめておくことで、従業員が自分で選択や検索をして自己解決を図ることができます。

FAQシステムのメリット

専用のFAQシステムを導入すれば、エクセルで管理する場合のデメリットを解決した上で、さらにメリットがあります。

・管理者側のメリット
なによりも作成、管理がエクセルよりも簡単です。
特にマニュアルのように画像や動画が必要な場合でも、FAQシステムなら簡単に掲載できます。

・利用者側のメリット
エクセルよりも断然「視認性が高い」です。つまり、情報が目に入りやすく、見やすいということです。
情報が画面上に分かりやすく整理されていて、知りたい情報を一覧から探し出すことができます。画面をひとめ見て、どのような項目があるのかをすぐに確認でき、検索機能がついていればキーワード検索も可能です。

FAQシステムのデメリット

とても便利なFAQシステムですが、以下のようなデメリットもあります。

・基本的には有料
Tayoriなどの無料プランを提供しているものもありますが、使用できるユーザーが1名など、チームでの利用には向いておらず、基本的には有料プランがメインとなります。運用には初期導入費と月々の運用費がかかります。

・初期設定の手間や教育コストがかかる
導入時に初期設定、その後も管理が必要です。導入するシステム独自の操作に慣れる必要があります。

・工夫が必要
せっかく導入しても、使い勝手が悪ければ利用してもらえません。質問のカテゴリ分け、デザイン、配置など、さまざまな工夫をして、だれにでも見やすく使いやすいものにする必要があります。

通常のサービスでは検索窓の設置が可能で、デザインのテンプレートも用意されていますが、FAQの分類、構成によっては利用者が求める情報にたどり着くまでに時間がかかってしまいます。そうなるとFAQページを離れてしまい、従来のメールや電話での問い合わせに戻ってしまう可能性があります。

FAQシステムでは、利用者が能動的に行動することが求められます。利用者がスムーズかつ迅速に必要な情報を得られるように工夫が必要です。

5. エクセル以外の方法②チャットボット

エクセル、FAQシステム以外の選択肢としてチャットボットが挙げられます。

チャットボットとは

チャットボットとは、「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた言葉で、自動で会話をするプログラムのことです。大きく分けて「シナリオ型」「AI型」の2種類があります。シナリオ型とAI型両方の機能をもつチャットボットは「複合型」または「ハイブリッド型」と呼ばれています。

AI型

利用者がテキスト入力して質問すると、搭載されたAIがその質問の意味を理解し、もっとも適切だと思われる回答を表示します。人が話しているかのような自然な対話も可能で、複雑で広範囲な問い合わせにも対応できます。

シナリオ型

予め用意されたシナリオに沿って、利用者が質問内容を選択していくフローチャート形式のチャットボットです。利用者が知りたいと想定できる質問を事前に登録しておくことで、利用者は質問文を入力しないで求める情報にたどり着きやすいといったメリットがあります。

チャットボットは、想定される質問を事前にまとめて登録しておくので、FAQ作成・管理のためのツールとして適しています。

チャットボットのメリット

FAQシステムと同様にエクセルのデメリットをカバーできる上、FAQシステムと比較するとさらに便利な点があります。

・検索性が高い
チャットボットでは、「キーワードを入力する」または「選択肢を選ぶ」ことにより、利用者が求める情報を探し出すことができます。AI型チャットボットの場合は、言葉のゆらぎにも対応するので、表現のばらつきがあっても同じ意味の言葉は同じ質問と判断してくれます。

FAQシステムの検索窓の場合は、基本的にはキーワードが一致していないと回答表示されないため、探している回答にたどりつくまでに時間がかかることがあります。

・様々なシステムと連携可能
チャットボット単体での利用だけでなく、既に社内で使っているツールがある場合は連携して利用することも可能です。
たとえば、ビジネス版LINE「LINE WORKS」と弊社のAIチャットボット「Tebot」を連携させて、管理部門と従業員との連絡手段、コミュニケーションツールとして活用いただいている例もあります。 

チャットボットのデメリット

チャットボットは通常Webサービスなので、FAQシステムと同様に「設定が必要」「基本的には有料」というデメリットがあります。

さらにチャットボットの場合は、「一度に掲示する情報量が限られる」というデメリットもあります。キーワードを入力するか、提示された選択肢を選ぶだけなので、どのくらいの量のFAQが用意されているのかという全体像は、利用者からは分からないのです。ただし、これは言い換えれば「一問一答に適している」ということになります。

6. 社内FAQ比較まとめ

エクセル、FAQシステム、チャットボットで社内FAQを作成・管理する場合のメリットとデメリットを比較してみました。

費用教育コスト視認性検索性回答の柔軟性
エクセル無料不要×××
FAQシステム基本有料必要
チャットボット基本有料必要

「共有人数が限られている」「FAQとして必要な情報がそれほど多くない」「費用はかけたくない」という場合は、エクセルでも充分でしょう。

しかし、FAQの情報量が多い、従業員数が多い、今後安定して長期的にFAQを管理していきたいという場合は、有料ツールをおすすめします。FAQシステムとチャットボットのどちらがより適しているかは条件や希望などで異なりますが、従業員の使い勝手を優先して、どちらでも利用できるように併用して導入している企業も多くあります。

7. 初期導入時の手間がかからないチャットボット「Tebot」

AIチャットボット「Tebot」は、社内FAQとしても活用可能です。
すでにFAQが整理されている企業様でも、従来のFAQでは対応できていなかった部分を補うためにTebotを並行してご利用いただいているケースも多くあります。

初期導入時の費用や作業コストを徹底排除した「Tebot」をぜひ無料トライアルでお試しください。

AIチャットボットサービス「Tebot
  • シナリオ機能とAI(人工知能)を兼ね備えた複合型チャットボット
  • Q&A自動生成機能あり(ChatGPTと連携)
  • 初期設定無償代行など、導入から運用開始後も手厚いサポート付
  • 業界最安水準の価格設定
  • 14日間の無料トライアルあり
  • 生成AI回答オプションあり
AIシステムの受託開発

クライアント様のご要望に応じた開発も可能です。
アノテテ独自の言語理解AIとマルチモーダルAI技術でビジネスの効率化・売上寄与・新規ビジネス創出支援のための確かな手段を提供します。

タイトルとURLをコピーしました