AIチャットボットのメリット・デメリット徹底解説:問い合わせ削減からリード獲得まで

基礎知識

AIシステム開発会社のアノテテです。サービスのひとつとして、AIチャットボット「Tebot(ティボット)」を提供しています。

AIチャットボット導入を検討する際、成果や運用について不安を感じる方もいらっしゃると思います。実際、期待した効果が得られずに乗り換えのご相談を頂くケースもあります。

しかし十分な準備と理解があれば、AIチャットボットは業務効率化と顧客満足度向上を同時に実現できる強力なツールです。重要なのは、メリットだけでなくデメリットも正しく理解し、適切な対策を講じることです。
この記事では2025年現在の企業用AIチャットボット導入に向けて、事前に知っておくべき基本知識から注意点まで分かりやすく解説します。

この記事で解決できること
・AIチャットボットの種類と特徴
・導入によるメリットとデメリット
・デメリットを回避するための具体的な方法
・目的別チャットボットの導入事例

AIチャットボットは様々な種類がある

AIチャットボットは、仕組みや得意分野によって大きく3つのタイプに分類されます。自社の目的に最適なタイプを選択することからまずはご検討ください。

① マッチング型AIチャットボット

いわゆる従来型のチャットボットで、事前に登録されたFAQデータからユーザーの質問に最も適した回答を見つけて表示するタイプとなります。
類義語や表現の揺れにも対応できるため、最も安価なルールベース型(単純なキーワードマッチング型)より柔軟な対応が可能です。

回答精度はFAQデータの質と量に依存するため、どこまで初期準備が出来るかが肝心です。ベンダーサポートがない場合は準備に時間がかかりますが、安定した回答品質を維持できるのが特徴です。

② 対話型生成AIチャットボット

対話型生成AIでは、ChatGPTのような大規模言語モデルを活用し、リアルタイムで文章を生成して応答することができます。事前に回答を用意していなくても、文脈を理解して人間らしい自然な対話ができます。

情報提供や提案型の用途に適しており、顧客との関係構築にも効果的です。ただし、予想外の回答をする可能性もあるため、事前のプロンプト(AIへの指示文)設定で回答できる範囲を制御する等、適切な設定と監視が必要です。

※左は生成AIで回答した例です。一見マッチング型AIと同じ挙動に見えますが、リアルタイムで回答を都度生成しているため、回答表現が毎回若干異なる可能性があります。

③ ドキュメント回答特化型チャットボット

いわゆるNotebookLMのような、特定のマニュアルや社内文書を参照して質問に回答するタイプです。膨大な文書の中から必要な情報を瞬時に抽出できるため、文書ベースの情報参照業務で高い効果を発揮します。

※AIチャットボットの種類については以下の記事で詳しく説明しています。

今回は、社内・社外どちらでも利用が可能な汎用性の高い①のマッチング型AIと②の対話型生成AIチャットボットに焦点を当てて解説します。

AIチャットボット導入による4つのメリット

toC、toB関わらずAIチャットボットを導入することで得られる代表的なメリットは以下の4つです。

① 業務効率化とコスト削減

最大のメリットは、定型的な問い合わせの自動化による大幅な業務効率向上です。
営業時間や返品方法といったよくある質問をチャットボットが処理することで、スタッフは企画立案や顧客提案といった、より複雑で付加価値の高い業務に集中できます。

また24時間365日稼働することにより、営業時間外の問い合わせにも対応可能です。回答内容の統一化により、担当者による対応品質のばらつきも防げます。結果として、人件費削減と業務品質向上を同時に実現できます。

② 顧客満足度の向上

コールセンターへ即座の回答を期待し問い合わせたものの、延々と待たされた経験はありませんか?
CRMツールを提供するHubspotによると「90%の顧客がレスポンスの早さを重要または非常に重要と評価した」といった調査があります。
AIチャットボットの導入により電話での長時間待機や営業時間内での問い合わせ制限から解放され、顧客は必要な情報をいつでも気軽に取得することが可能になります。

また、ちょっとした疑問でも躊躇なく質問できる環境は、顧客体験の大幅な改善につながります。緊急時やアクセス集中時でも安定した対応を維持できるため、ブランド信頼性の向上も期待できます。

③ リード獲得の拡大

従来のお問い合わせフォームと比較して、チャットボット内での資料請求や相談は心理的ハードルが低く、コンバージョン率の向上が期待できます。

特に生成AIタイプでは、自然な対話を通じて顧客のニーズを段階的に把握し、適切なタイミングで資料請求や商談につなげることが可能です。※
※生成AIによる自然な対話は、プロンプト設計に大きく依存します。

④ データ収集・分析力向上

多くのチャットボットには、利用者がチャット内でどのような行動を行ったかを記録する「チャットログ機能」が搭載されています。従来の電話やメール経由での問い合わせでは得られなかった顧客行動の可視化が容易になるため、質問の傾向や、離脱ポイント、想定していなかった潜在ニーズなど、粒度の細かい分析・発見も可能になります。

これら情報を活用することで、製品・サービスの改善点を発見し、マーケティング施策の精度向上につなげられます。データに基づいた意思決定により、根拠のある継続的な改善サイクルを構築できます。

国内で最も多い導入目的は「業務効率化」※2025年現在

ちなみに国内企業のAIチャットボット導入目的は、業務効率化が最多となっています。特にカスタマーサポート領域では、問い合わせ増加による人手不足と24時間対応への要求が課題となっており、チャットボット導入のニーズが高まっています。

PRIZA社の調査によると、国内での導入目的の内訳は以下となります。

  • 業務効率を向上させたい:57.3%
  • 人件費を削減したい:48.0%
  • 顧客満足度を向上させたい:35.0%
  • DX推進の一環として導入:30.8%
  • オペレーター負担の軽減:25.8%
  • 24時間対応の実現:23.3%

また、海外では、ECサイトでのリード獲得や顧客ロイヤリティ向上といった戦略的活用も進んでいます。導入企業の6割以上が顧客満足度の向上を実感しているという調査結果もあるほどです。

このようにAIチャットボットは業務効率化の向上目的だけでなく、広告やSNSと並ぶマーケティングツールとしても注目され、様々な用途で活用されています。

AIチャットボット導入のデメリット

ここまで、AIチャットボットの良い点ばかりに焦点を当ててきました。ここからは導入検討時の注意すべき3つのデメリットをご紹介します。

① 初期導入・設定に工数がかかる場合がある

AIが適切な精度で回答するためには、学習用データの整備と準備に相応の時間とコストが必要です。過去の問い合わせ履歴やFAQデータの整理、カテゴリ分類など、データの品質がチャットボットの性能を左右します。

特に、これまで問い合わせデータを体系化していない企業では、データの整理作業に予想以上の時間を要する場合があります。

② 運用開始後も定期的なメンテナンスが必要

チャットボットは継続的な改善が必要なシステムです。利用状況の分析、ユーザーフィードバックの反映、回答精度の向上など、PDCAサイクルを継続的に回す必要があります

特に運用初期は想定外の質問パターンへの対応や回答精度の調整が頻繁に発生するため、専任担当者の配置と定期的なメンテナンス体制の確立が重要です。

※製品によっては回答できなかった質問を自動学習させるオプション機能も存在します。しかしながら、誤学習のリスクを踏まえ、現状では人間の手による承認プロセスを含むケースがほとんどです。

③ 生成AI回答の場合、誤回答のリスクがある

対話型生成AIチャットボットは、同じ質問に対しても毎回微妙に異なる回答を生成する可能性があります。企業の公式回答として一貫性を求められる場面では、この特性が課題となる場合があります。

また、AIの学習データや設定が不十分な場合、事実と異なる情報や不適切な内容を回答するリスクも存在します。顧客の信頼を損なう可能性があるため、誤回答の検知・修正フローと定期的な顧客満足度測定が不可欠です。

AIチャットボットのデメリットを回避する方法

前述のデメリットは、以下の対策によりリスクの回避・軽減が可能です。

① 初期導入・設定の負担軽減

初期導入時にかかる人的・時間的コストについては以下のサービスを提供しているベンダーを検討してみてください。

1. 初期設定代行サービスを行っている
新規ツールの導入時には、操作習得に多くの時間を費やすことが一般的です。こうした負担を軽減するため、多くのベンダーが初期設定の代行サービスを提供しています(無償・有償)。導入時の工数削減に直結するため、ベンダー選定時には必ずサービス内容を確認しましょう。

2. 「QA自動生成機能」が搭載されている
QA自動生成機能とは、ChatGPTなどの生成AIを活用し、既存のFAQデータ(URLやドキュメント等)を読み込ませることで、チャットボット用の質問と回答ペアを自動生成してくれる機能です。これにより、ゼロから作成する手間を大幅に削減できます。

3. 導入後の伴走支援を提供するベンダーを選ぶ
ITトレンド、BOXILなどの資料一括請求サイトやtoB向けソフトウェアの口コミサイト「ITレビュー」など、各製品のリアルなレビューが記載されています。これらを参考にし、継続的かつ親身なサポートを提供してくれるベンダーを選ぶよう心がけてください!

② メンテナンス体制の整備

 チャットボットは分析・改善を繰り返すことで回答精度や質を高めていく必要があるため、メンテナンスのための業務は避けられないのが現状です。工数を掛けられない場合は、定期的なサポートで結果分析と改善案を提供してくれるベンダーを優先的に探すと良いでしょう。
また、「ここまではチャットボットが回答、ここからは人が対応」といった回答範囲を明確に事前定義しておくことで、一貫した改善方針も維持できます。

③ 対話型生成AIのリスク管理と回答品質の維持

誤回答のリスクについては、適切なプロンプト設計により回避・軽減が可能です。例えば「製品に関係ない質問には回答しない」「不明な点は担当者への問い合わせを案内する」といった明確な指示を組み込みます。

また、マッチング型生成AIと対話型生成AIを併用することで、より回答精度を上げることも可能です。よくある質問には回答が一貫したマッチング型生成AIから回答を提供し、想定外の質問には生成AI回答を使うハイブリッドな運用も効果的です。

AIチャットボット「Tebot」の目的別導入事例

弊社で提供している「Tebot(ティボット)」を導入いただいた企業様の具体的な事例を目的別にご紹介します。

A社様:社内の業務効率化

課題・背景
A社様では、人事・総務関連の定型問い合わせが多発し、担当者が本来業務に集中できない状況でした。交通費申請や福利厚生といった定型的な質問が日常的に多発し担当者の業務を圧迫していました。

施策内容
社内ですでに導入済のLINE WORKSと連携し、マッチング型AIチャットボットを併用。質問内容に応じて最適な回答へスムーズに誘導する仕組みを構築しました。

成果
・対応件数60%削減を達成
・問い合わせから回答までの時間を大幅短縮
・担当者が本来業務に集中できる環境を実現
・効率化効果が全社に波及

B様(自治体):人件費の削減

■課題・背景
自治体B様では、市民からの電話・窓口対応により職員の業務が頻繁に中断され、重要な業務に集中することが難しい状況でした。質問の内容は、戸籍謄本の取得方法や子育て支援手続きなどの定型質問が多数でした。

施策内容
マッチング型AIチャットボットを導入し、よるある質問や基本的な手続き情報を24時間提供する体制を構築されました。また、必要な場合のみ人が対応できるよう、回答ができなかった場合にのみ電話番号を載せるなどの工夫もされました。

成果
・電話対応約30%削減を実現
・人件費削減と業務効率向上を同時達成
・少人数体制でも市民サービス品質を維持
・24時間対応により市民利便性も向上

C社様:顧客満足度の向上

課題・背景
toC向けECサイトを運営するC社様では、商品やサービスに関する基本的な質問への回答を見つける前に離脱するユーザーを懸念されていました。

施策内容
マッチング型AIチャットボットと、フローチャート型(シナリオ型)を組み合わせ、サイトを訪れたユーザーが欲しい情報をすぐ見つけやすいようにチャットボット内でリンクを設置。目的の情報にアクセスできる仕組みを構築されました。

成果
・FAQ解決率95%以上を達成
・サイト離脱率低下と再訪率向上を実現
・コンバージョン率とリピーター率が向上
・顧客満足度調査で高評価を獲得

D社様:オペレーター負担の軽減(toB複合機サポート)

■課題・背景
toB向け複合機のサポートを行っているD社様では、お客様からの紙詰まりや印刷エラーなどの基本的なトラブル問い合わせが日常的に頻発し、サポートスタッフが高度な技術対応に時間を割けない状況でした。

■施策内容
基本的なトラブルシューティングをチャットボットで自動化し、複雑で自己解決が難しい案件のみを人間のオペレーターに引き継ぐ二段階対応システムを構築。

成果
・問い合わせの約6割をチャットボットで処理
・サポートスタッフが複雑案件に集中できる体制を実現
・業務品質と効率の同時向上
・顧客待機時間の大幅短縮

E社様:潜在顧客のリード獲得

課題背景
toB向けの研修サービスを提供しているE社様では、従来の資料請求フォームでは基本情報のみしか取得できず、営業活動に必要な潜在ニーズが把握できませんでした。

施策内容
対話型生成AIチャットボットで自然な会話を通じて、顧客の課題や要望を段階的に収集する仕組みを導入。

成果
従来より深い顧客ニーズの把握が可能に
精度の高いリード情報を営業チームに提供
商談化率・成約率が大幅向上
マーケティング効率の改善を実現

いきなり無料トライアルもOK!計画的に進めればなお良し

AIチャットボット導入には、あなたの状況に応じて最適なアプローチを選択できます。

導入イメージがついているなら即無料トライアルも

チャットボットの運用イメージが既に明確な場合は、実際の使い勝手を確認することが最優先です。操作性や回答品質が期待に合致するかを早期に判断できれば、導入後のミスマッチを防げます。

チャットボットの基本的な仕組みや効果を理解している場合は、迷わず無料トライアルを活用しましょう。多くのベンダーがトライアル環境を提供しており、実際の機能を体験できます。

時間的な制約がある場合は、商談を省略して即座にトライアルから開始する方法も有効です。
※弊社では即日スタートできる無料トライアルも実施しております。

確実に無料トライアルで検証する場合

各ベンダーは利用者の具体的な要望をヒアリングし、最適なプランを提案してくれます。複数のベンダーを比較検討するには相応の時間が必要ですが、チャットボットの役割や機能への理解を深められるメリットがあります。

一般的なトライアル期間は14日から30日程度に設定されています。しかし、多くの企業がトライアル期間を十分に活用できずに終了してしまうケースが見られます。

トライアル期間を最大限活用するため、事前に検証したいポイントを明確にしておくことが重要です。弊社では、トライアル時で確認すべき項目をまとめたチェックリストを無料で配布しておりますので、ぜひご活用ください!

導入ハードルの低いTebot(ティボット)

AIチャットボットTebot(ティボット)では企業の皆様が導入時に感じる「手間がかかる」「時間がない」といった課題を解決すべく、ご要望に応じた設計のご提案や、初期設定の無償代行を行っております。

「まずは触ってみたい」という方には商談不要の無料トライアルも可能です!
ぜひお気軽にお試しください。

AIチャットボットサービス「Tebot
  • シナリオ機能とAI(人工知能)を兼ね備えた複合型チャットボット
  • Q&A自動生成機能あり(ChatGPTと連携)
  • 初期設定無償代行など、導入から運用開始後も手厚いサポート付
  • 業界最安水準の価格設定
  • 即日開始できる14日間の無料トライアルあり
  • 生成AI回答オプションあり
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