フォームの離脱率の原因と改善|EFO・チャットボットなど最新ツール活用法

導入・ご相談事例

こんにちは!AIシステム開発会社のアノテテです。
資料請求やサービス申し込みなどに使われるウェブフォームは、ユーザーの行動を成果へとつなぐ重要な接点です。しかし多くの企業サイトで、入力途中にユーザーが離脱してしまう課題が見られます。
この記事では、フォーム離脱率に関する基礎知識から離脱の原因、ツールを活用した改善方法を具体的に解説します。

この記事でわかること
 ・フォーム離脱率に関する基礎知識
 ・離脱が起こる原因と心理的要因
 ・具体的な改善方法と使えるツール
 ・チャットボットを活用した離脱率改善と導入事例

フォーム離脱率とは?基礎と現状把握

ユーザーが入力を途中でやめてしまう(=離脱する)背景には、設計上や心理的な要因が隠れています。ここでは、離脱率の基礎と算出方法等を整理します。

フォーム離脱率とその重要性

フォーム離脱率とは、入力を開始したユーザーのうち「最後まで完了せずに離脱した割合」を示す指標です。
つまり、サイト訪問者がなんらかの理由で入力を途中でやめ、あと一歩で見込み客(リード)になり得たユーザーを取りこぼしている状態を意味します。

フォームの分析ツールを提供しているZuko.ioの調査によると、フォーム全体の平均離脱率はおよそ50%前後、つまり訪問者の約半数であると報告されています。

この数値は、UI(ボタン配置や入力欄の見え方)やUX(操作していて感じる使いやすさ)の質を表す指標でもあります。入力項目の多さ・エラーメッセージの不親切さ・デザインの煩雑さなどが、離脱の直接的な原因となることが多いです。
高い離脱率は「ユーザーが入力を完了できない理由」がフォーム内に潜んでいるサインであり、UX改善の優先度を測るバロメーターになります。

業種別フォーム離脱率の目安は?

業界やサービス内容によって、平均的なフォーム離脱率は大きく異なります。
たとえば、2025年の調査では以下の離脱率が報告されています。(※)

・不動産:約65.4%
・医療:約55.6%
・教育:約52.3%
・EC / 小売:約49.0%
・ソフトウェア:約49.4%
・データサービス:約43.5%
・保険:約44.2%
・金融サービス:約41.6%
・旅行:約39.5%

とくに不動産・医療・教育のように、入力項目が多く個人情報を求めるフォームでは離脱率が高い傾向があります。一方で、旅行やECのように目的が明確なフォームでは、比較的離脱が少ない結果となっています。
zuko.ioより離脱率を逆算

離脱率の算出方法

離脱率は、「離脱率=(開始数 − 完了数)÷ 開始数」の式で求められ、フォーム全体の状況を把握するための基本指標になります。

さきほど触れた業界別の平均値は、自社フォームの位置づけを確認するためのベンチマークとして活用できます。「離脱率が業界平均より高い」「特定の時期だけ悪化している」など、まずは全体の傾向を数字でつかむことが大切です。
この段階ではどこで離脱しているかまでは分かりませんが、改善に着手すべきかどうかを判断する材料には十分なります。離脱率は“問題の大きさを測る入口”として定期的にチェックしておくことをおすすめします。

ユーザーがフォームから離脱する主な原因とは?

フォーム離脱の原因は操作性をはじめ、ユーザーの心理的な負担・セキュリティ面での懸念など、複数の要素が重なって発生します。ここでは代表的な3つの要因を整理します。

1. フォームのUI・UXに関する問題

UIやUXは、ユーザーがどれだけストレスなく入力を続けられるかを決める要素です。
以下のような入力のしづらさや構造のわかりにくさは、離脱を招く大きな要因となります。

  • 入力項目が多すぎる、または不要な質問が含まれている
  • 入力例やヒントがなく、操作に迷う
  • オートコンプリート・自動入力に対応していない
  • モバイルでレイアウトが崩れたり、タップしづらい
  • エラーメッセージが不明確、または途中で消える

2. ユーザーの心理的ハードル・意欲の低さ

フォームの構成や流れが原因で、ユーザーの「やってみよう」という気持ちが途中で途切れてしまうこともあります。
以下のような小さな面倒さの積み重ねが、離脱につながる典型的なパターンです。

  • 必須項目が多く「面倒」と感じやすい
  • 会員登録やパスワード作成を強制される
  • 目的が曖昧で「本当に入力すべきか」迷う
  • モチベーションが低いまま訪問している

3. セキュリティや信頼性への不安

フォームは個人情報を入力する場面が多く、わずかな不安でも離脱につながります。
Zuko.ioの調査では、約29%のユーザーがセキュリティ面への懸念を理由にフォーム入力を途中でやめた経験があると報告しています。

 ・フォームの安全性や暗号化について説明がなく、安心感が得られない
 ・送信後にどんな対応が行われるのかが明確でない
 ・企業としての信頼性が十分に伝わっていない

…といった、セキュリティ対策そのものよりも「安全性が見えない」「信頼できる相手か判断できない」といった印象が、離脱を引き起こす主な要因です。

フォーム離脱率の改善①UI/UXを修正する

ユーザーが気持ちよく入力を続けられるフォームづくりは、離脱を減らすうえで欠かせません。ここでは、フォームが最適化されているサイトを例に改善策をご紹介します。

不要な項目を削除し、入力項目を最小限に

入力項目が多すぎるフォームの例
項目が多いフォームの例

入力欄が多いフォームほど、ユーザーは途中で離れてしまいやすいものです。
質問の目的と入力欄を一つずつ見直し、「これ、本当に必要かな」と整理していくことが大切です。

たとえば最初は名前とメールアドレスだけを聞き、詳しい情報は次のステップで補う構成に変えるだけでも、完了率は上がります。
また、途中まで入力した内容を保持できる仕組みがあると、再訪時もスムーズに続きを進めてもらえます。

入力例・プレースホルダーを明示

フォームで使われるプレースホルダーの例
プレースホルダーの例(赤枠)

プレースホルダーとは、入力欄の中に薄い文字で表示される記入例(例:○○株式会社)のこと。
どう書けばいいかわからない項目があるだけで、ユーザーは意外と離脱してしまいます。
各欄に具体的な入力例を添えることで、迷う時間を減らし、ストレスを軽くできます。
「例:03-1234-5678」「例:株式会社○○」のように、短く具体的な例を出すのがコツです。
また、選択肢で済む質問なら、プルダウンよりもボタン形式のほうが直感的に操作できます。

ステップフォーム・進捗バーを導入

進捗バーの例(赤枠)

ステップフォームとは、入力工程を2〜4段階などに分けて進めるタイプのフォームです。
進捗バーは、そのステップの進み具合を視覚的に示すバーのこと。
この2つを組み合わせると、「あとどのくらいで終わるか」がわかりやすくなり、離脱を防ぎやすくなります。
「残り3項目です」「もう少しで完了です」といったメッセージを途中に入れるのも効果的です。

リアルタイムエラー表示

リアルタイムエラーの例(app.getanchor.co

リアルタイムエラー表示とは、入力途中で間違いがあった場合にその場でエラー内容を知らせる仕組みのことです。
送信ボタンを押してから一括で赤く表示されるよりも、入力中に指摘が出たほうがユーザーの負担は圧倒的に軽くなります。

たとえばメールアドレスの「@」抜けや電話番号の桁数不足などを、入力直後に「メールアドレスに@が必要です」「ハイフンを含めて10〜11桁で入力してください」といったメッセージで伝えると、迷いがなく修正できます。
大切なのは、何が間違っているかを具体的に伝えることと、入力内容を消さないこと
ユーザーが注意されたと感じずに、自然と正しい形に直せるエラー設計が理想です。

そのほかの改善施策

  • モバイルファースト設計
    スマートフォンでの操作を前提に、タップしやすいボタン配置や入力欄のサイズを見直す。
  • オートコンプリートの活用
    郵便番号から住所を自動入力するなど、手入力の手間を減らす。

こうした工夫を少しずつ積み重ねるだけでも、ユーザーが離脱しにくいフォームに近づいていきます。

フォーム離脱率の改善②ユーザー心理を理解する

フォーム離脱の原因には、入力しにくさだけでなく「ちょっと面倒」「そこまでの気分じゃない」といった心理的な要素も大きく影響しています。
ここでは操作面ではなく、ユーザーの“気持ちの動き”に焦点を当てて整理します。

入力の手間に対する心理的ハードルへの対策

入力欄が多かったり、会員登録・パスワード作成を求められたりすると「今はやめておこう」と感じる人も少なくありません。一方で、興味や購買意欲が高いユーザーにとっては多少の手間は気にならないこともあります。
つまり面倒さの感じ方は、ユーザーの関心度や熱量によって変わります。

まだ検討段階のユーザーほど、入力負担が離脱のきっかけになります。
「まずはメールだけ」「登録はあとで」といった柔らかい導線を設けることで、行動ハードルを下げられます。

具体的なゴールを明示する

「この情報、何に使われるんだろう?」
入力中にふとそんな疑問がよぎった瞬間、ユーザーの手は止まります。
目的が見えないまま個人情報を求められると、不安や疑念が生まれるのは当然のこと。
どんな目的で情報を集めているのか、送信後にどうなるのか?その先が見えないフォームほど離脱は起こりやすくなります。

そのため、「入力内容は見積作成のみに使用します」といった具体的なゴールを明示するだけで、安心感がぐっと高まります。
ほんの一言でも、「ちゃんと目的がある」「入力した先にメリットがある」と伝われば、ユーザーはもう一歩進んでくれます。

モチベーションの低い訪問ユーザーへの対応

先述したZuko.ioのデータでは、不動産や医療など入力項目が多い業種で離脱率が55〜65%と高い傾向にあるとお伝えしました。これらの業界では、フォームで求められる情報が多く、入力の途中で疲れてしまうユーザーが少なくありません。

不動産業界では「希望エリア」「間取り」「予算」「ローン状況」など、検討段階ではまだ答えづらい項目が多く並びます。
医療分野でも、症状や既往歴、保険情報などの記入が必要なケースが多く、慎重に入力するほど時間がかかります。
こうした項目の多さと心理的な負担が重なり、離脱率を押し上げていると考えられます。

このような業種では、まず最低限の情報だけを受け取れる軽いステップを設けることが有効です。 入力ハードルを下げるだけで、行動意欲が高くないユーザーの離脱を大幅に防げます。

フォーム離脱率の改善③ セキュリティと信頼感を高める

フォームは、ユーザーが自分の情報を預ける「信頼の入り口」です。
ここでは、入力を安心して完了してもらうために重要な2つの視点を整理します。

安全性を「見えるかたち」で伝える

セキュリティ対策が整っていても、それがユーザーに伝わらなければ意味がありません。
多くの人はフォーム送信の仕組みを深く理解していないため、「安全そうだ」と感じられる工夫が必要です。

フォームの近くにセキュリティバッジを配置したり、「このフォームはSSLで暗号化されています」などの一文を添えたりすることで、安心感を視覚的・言語的に伝えられます。
また、「入力内容は社内で厳重に管理しています」「第三者への提供は行いません」といった情報管理の姿勢を明記しておくことも効果的です。
ユーザーは、フォームの設計に加え「安全に送信できそうか」を直感で判断します。 安心して送れるフォームだと伝わるだけで、ユーザーの迷いはぐっと減ります。

信頼できる企業であることを示す

安全な送信環境を整えるだけでなく、「この企業なら情報を預けても大丈夫」と感じてもらうことも重要です。
たとえば、導入事例やメディア掲載情報などをフォームに近い場所に掲載することで、ユーザーに信頼の根拠を示すことができます。初めてサイトを訪れるユーザーにとって、他者の評価や第三者の証明は行動を後押しする強い材料になります。

住所、連絡先といった会社情報をフォームの近くに明示しておくことで、運営元の信頼性が伝わりやすくなります。

離脱を改善するために使えるツール

ユーザーの入力負担を減らし、迷いや不安を取り除くために活用できる3つのツールを紹介します。

EFOツール

公式サイトより:www.gyro-n.com

EFOツールは、フォームの作成や改善に特化した専用サービスです。FormAssistやGyro-n EFOをはじめ、複数のツールが提供されています。
入力例の表示、郵便番号からの自動住所入力、リアルタイムでのエラー表示など、フォームならではのつまづきやすさを解消する機能がまとまっている点が特徴です。

また、項目ごとの離脱率やエラー発生箇所を把握できる軽量な分析機能を備えているため、UI改善と効果検証を一緒に進められます。フォームの改修にしっかり取り組みたいケースや、入力フローを細かく最適化したい企業に向いています。

MA / CRM 連携型ツール

公式サイトより:www.hubspot.jp/

HubSpotのようなMA / CRMツールは、顧客管理やインバウンドマーケティングを支えるサービスです。見込み顧客の情報を蓄積し、メール配信やスコアリングなどのマーケティング活動を自動化する領域で強みがあります。
フォーム機能も搭載されており、表示回数・送信率・ポップアップの開封率など、基本的な指標を確認できます。また、ユーザーの属性や行動に応じて、フォームやポップアップの表示タイミングや内容を調整できるため、訪問者とのコミュニケーションを最適化したいケースに向いています。
ただし、入力途中のストレスを減らす細かな支援や、サイト内でユーザーを直接案内する導線づくりまでを担う仕組みではありません。MAとして扱う領域が広い分、設計や運用には一定の工数がかかる点は押さえておきたいところです。

チャットボット

公式サイトより:anotete.co.jp/tebot/

チャットボットは、対話形式で1つずつ入力を進める仕組みを持ち、フォーム機能を備えたものも多くあります。固定レイアウトのフォームとは異なり、画面に項目がずらりと並ばないため圧迫感が少なく、「入力が大変そう」と感じて離脱しやすいユーザーにも取り組みやすい点が特徴です。

既存フォームの内容をそのまま会話形式に置き換えられるケースも多く、大きな改修を行わずに導入しやすいところも利点です。また、チャットボットはフォーム改善だけにとどまらず、FAQ対応やサイト案内、再訪時のナビゲーションなどにも活用でき、導線改善を含む顧客接点全体をカバーしやすい柔軟さがあります。

チャットボット導入によるフォーム離脱改善の成功事例

ここでは、チャットボットをフォーム離脱改善に活かした事例をご紹介します。

CASE1. toC向け不動産関連サービス

個人向けに不動産投資の情報提供を行い、オンラインセミナーや動画コンテンツを通じて投資初心者・検討層を支援している企業C社様の事例です。

1. 導入前の課題について

C社様では、当時サービスの申し込みに通常のフォームのみ利用されていました。
ただ、ページを訪れても申し込み完了にまで至らないユーザーが多く、どこに迷いがあるのか把握できないことが課題でした。

不動産投資は、NISAのように幅広い層へアプローチしやすい投資とは異なり、そもそも対象が限定されます。そのため、興味は持ちながらも「何を質問すればいいかわからない」「申し込みをするほど気持ちが固まっていない」といったユーザーが存在していました。

こうした関心はあるが行動には至らない層の心理がフォーム単体では読み取れず、潜在的な集客機会が見えにくい状態でした。

2. 導入後の変化と成果

チャットボット導入後は、ユーザーの質問内容やシナリオ選択がログとして残るようになり、潜在層が何に迷い、どんな情報を求めているのかを把握できるようになりました。フォームでは見えなかった行動データを取得できたことで、企画やコミュニケーションの改善に必要な情報が揃いやすくなったのです。

主な変化は次のとおりです。

  • 潜在層のインサイトが行動データとして明確になった
  • サイト上で疑問が解消しやすくなり、参加率が向上
  • 個別問い合わせが減り、事務局の負担が軽くなった

チャットボットを活用することで、潜在層の声を把握できたことがフォーム離脱改善の起点となりました。

CASE2. toB向けオリジナルパッケージ製作サービス

紙箱・化粧箱・ギフトボックスなどのパッケージ制作等を提供する株式会社丸信様の事例です。

1.導入時の状況

丸信様は、もともとサイト訪問者が抱える疑問に気軽に対応できるよう、生成AIチャットボットを設置されました。紙箱のように細かな仕様調整や相談が前提となる商材では、シンプルな質問・回答形式のチャットや簡易的なフォームだけでは、実際の売上につながりにくいという印象があり、大きな効果までは期待されていませんでした。

2. 導入後の変化と成果

設置当時は 「気軽な相談窓口」として置いていたものが、実際には問い合わせや受注につながる動きも生み出していることがわかり、想定していた以上の効果が得られました。

たとえば、

  • 利用者が抱えている疑問や興味のポイントがログから明確になった
  • チャット経由で実際の相談や受注に発展するケースが確認できた
  • フォームよりも着手しやすく、早い段階で具体的な話に進むことが増えた

検討初期のユーザーだけでなく、具体的な相談を進めたいと考えている利用者もチャットを活用しており、当初想定していたよりも幅広い層の接点になっていることが分かりました。フォームでは進みにくかった対話がチャット上でスムーズに進み、結果的に取りこぼしの防止や商談化につながるケースも確認できています。


このように、フォーム離脱を減らすために必要なのは、大きな仕掛けよりも「状況を見える化して、一つずつ改善する姿勢」が重要です。離脱率の可視化を起点に、原因を丁寧に把握し、改善策を小さく積み重ねていくことで、最終的な申し込み数や問い合わせ数にしっかり影響が出てきます。自社にとって本当に必要な部分からツールを取り入れることで、無理のない改善サイクルを作りやすくなります。

フォーム離脱率改善だけでなく接点づくりにも活用できるTebot

TebotのようなAIチャットボットでは、ステップ形式で入力ハードルの低いフォームの作成だけでなく、FAQ対応やサイト内の導線作りなど、ユーザーとの接点づくりをまとめて行えます。
また、途中離脱しても、その時点までの情報を取得できる(※)ため、EFOツール等では把握しづらいユーザーの情報や関心度をつかみやすくなります。

※入力途中の情報を取得する場合は、プライバシーポリシーへの明記や、必要に応じて事前の同意を得ることが望ましいとされています

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