コールセンター向けチャットボット導入事例5選!選び方と料金相場も解説

導入・ご相談事例

AIシステム開発会社のアノテテです。サービスのひとつとして、AIチャットボット「Tebot(ティボット)」を提供しています。 コールセンターへのチャットボット導入を検討しているものの、「どんな種類があるのか」「費用はどれくらいかかるのか」「本当に成果が出るのか」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、顧客対応を目的としたコールセンター向けチャットボットの導入時に知っておくべき情報と実際の事例をご紹介します。

この記事でわかること
・コールセンター向けチャットボットの種類と料金の目安
・種類別の使い分けポイント
・コールセンターへの実際の導入事例

なぜコールセンターでチャットボットが必要か

コールセンターでチャットボットが求められる最大の理由は、深刻な人手不足と、利用者の「すぐに解決したい」という要望との間にあるズレを解消するためです。デロイトトーマツの調査によると、コールセンターで働く方の離職率は世界的に見ると52%に達しており、現場を維持するのが非常に困難な状況にあります。また、現場スタッフの76%が「扱う情報量が多すぎる」と感じており、心身ともに余裕がなくなっているのが実情です。
こうした課題を解消する選択肢として、チャットボットの活用が広がっています。特に日本企業は、電話からWeb窓口への切り替えに苦戦しており、依然として高い電話依存が続いています。だからこそ、チャットボットによって用件を事前に把握し、電話応対そのものを効率化させるアプローチが、現場を守るための現実的な基盤として求められています。

コールセンターにチャットボットを導入する3つのメリット

チャットボットを導入するメリットは、単に入電数を減らすことだけではありません。現場で働くスタッフの業務負担を軽減し、利用者にとって利便性の高い窓口を維持することにあります。

1. 電話の件数を減らしてスタッフの負担を軽くできる

利用者自身で解決できる仕組みを整えることで、スタッフが対応すべき電話の総量を抑えられます。

日本のコールセンターでは、Web窓口を増やしても電話が減らず、むしろ全体の問い合わせ量が増えてしまうという特有の課題があります。そこでチャットボットが最初に用件を正確に聞き取り、スタッフに繋ぐ前に必要な情報を引き出すことで、1件あたりの通話時間を短縮できます。

定型的な質問をチャットボットが完結させることで、現場の慌ただしさが緩和され、スタッフがより丁寧な説明や複雑な相談に専念できる環境を整えられます。

2. 夜間や休日を含めた24時間365日の案内が可能になる

スタッフが不在の時間でも、チャットボットが対応することで利用者の「今すぐ解決したい」という要望に応えられます。24時間対応が可能になることで、さらに以下のようなメリットがあります。

  • 週明けなどの入電集中を回避
    時間外に疑問を自己解決できる環境を整えることで、翌営業日の朝に集中しがちな入電を分散・抑制できる。
  • 現場のストレス軽減
    24時間体制の窓口を維持しつつ、有人対応が必要な案件を平準化できるため、スタッフの突発的な業務負荷を抑えられる。
  • 有人対応なしで手続きが完結
    利用者が自力で手続きを完了できるようチャットボットが案内し続けることで、スタッフが後から対応する手間をさらに減らすことができる。

3. 誰が対応しても回答の品質を一定に保てる

チャットボットであらかじめ設定した内容で回答することができるため、個人の経験やスキルに頼りすぎない、安定した応対体制を作れます。
コールセンターでは、担当者によって回答の内容や精度にばらつきが出ることが課題になりやすいものです。チャットボットに定型的な回答を任せることで、案内ミスや漏れを防ぎ、常に均一なサービスを提供できます。また、蓄積されたデータは組織全体のナレッジとなり、チーム全体の応対力向上にも繋がります。

種類で変わる、コールセンター向けチャットボットの料金相場

コールセンター向けチャットボットは種類によって料金が大きく異なります。仕組みと費用感を正しく理解することが、導入を失敗させない第一歩です。

シナリオ型チャットボット:1万円〜

シナリオ型は、あらかじめ設定した選択肢をユーザーに選んでもらいながら回答へ誘導する形式です。「受付時間は?」「手続きの方法は?」といったコールセンターで繰り返し受ける定型的な問い合わせに向いており、安価なものであれば月額1万円程度から導入できます。

プログラミング不要で設定できるツールも多く、コールセンターのスタッフが自分で管理しやすい点も魅力です。ただし、設定していない質問には回答できないため、問い合わせパターンが限られている業務に最も力を発揮します。

  • 向いている場面:料金・手続き方法・受付時間など定型的なFAQ対応
  • 費用感:月額1万円〜5万円前後
  • 注意点:想定外の質問はオペレーターへの転送が必要

AIマッチング型チャットボット:5万円前後〜

AIマッチング型は、ユーザーが入力した質問の意図をAIが読み取り、あらかじめ登録したQAの中から最適な回答を提示する形式です。自由文での質問にも対応できるため、シナリオ型より幅広い問い合わせをカバーでき、価格は月額5万円前後〜の中価格帯です。

回答の文言をあらかじめ管理できるため、「案内内容を正確にコントロールしたい」コールセンターに向いています。

  • 向いている用途:回答の文言を固定したい、幅広い問い合わせに対応したい場合
  • 費用感:月額5万円〜15万円前後
  • 注意点:FAQの登録・メンテナンスに一定の工数がかかる

生成AI型チャットボット:10万円前後〜

生成AI型は、マニュアルや規約などの資料をAIに読み込ませるだけで、内容をもとに回答を自動生成する形式です。月額10万円前後〜と最も高めですが、「QAをひとつひとつ登録したくない」「複数の資料を横断して答えたい」というコールセンターのニーズに対応できます。

複数の料金プランや契約条件をまたいだ問い合わせでも、マニュアルを読み込ませるだけで対応できる点が強みです。一方、AIが誤情報を生成する「ハルシネーション」のリスクがあるため、重要な回答にはプロンプトで制御が必要です。

  • 向いている用途:複雑な問い合わせ、複数のマニュアルを参照した回答が必要な場合
  • 費用感:月額10万円〜30万円前後(従量課金が含まれる場合も)
  • 注意点:回答すべきでない質問等に対してプロンプトで制御する必要がある

安さだけで選ばず用途に応じて使い分けるのがおすすめ

料金だけで選ぶと用途とのミスマッチが起きやすく、「導入したが電話が減らなかった」という結果につながりやすいです。コールセンターで減らしたい問い合わせの内容を整理したうえで、以下を目安に選んでみてください。

種類向いている場面
シナリオ型受付時間・料金・手続き方法など定型的なFAQ
AIマッチング型回答表現を統一し、かつ幅広い問い合わせに対応したい
生成AI型複雑な問い合わせ、複数のマニュアルを参照した回答が必要な場合

失敗しないコールセンター向けチャットボットの選び方

ツール選定の段階で、自社の運用体制やユーザーの利便性をどこまで考慮できるかが、導入成功の鍵となります。

1. 初期設定時に手間がかからないか

選定時にまず確認したいのは、初期設定やメンテナンスにかかる負担がどの程度ツール側で軽減されているかです。提供ベンダーによってサポート範囲や機能が異なるため、以下の3点に注目して比較することをおすすめします。

  • 初期設定の代行サービスがあるか ― 自社のFAQを一から登録する手間を省けるか
  • QA自動生成機能があるか ― マニュアルから質問と回答の候補を自動抽出できるか
  • 生成AIプランの有無 ― 個別のQA登録作業を最小限に抑え、資料更新だけで対応可能か

2. いざという時の有人対応への切り替えはスムーズか

回答不可時に有人接続用ボタンが表示される例

ツール選定時は、ボットで解決できない際の「オペレーターへの引き継ぎ機能」を必ずチェックしてください。

社内の応対体制をスムーズに機能させるためにも、「会話履歴を保持したまま転送できるか」「回答不能時に有人対応へ自動的に切り替える設定ができるか」といった機能面を確認します。これにより、利用者が同じ説明を繰り返すストレスを避け、スムーズな有人対応へと繋げられます。

3. 現場のスタッフが使いやすい操作性か

どれほど高機能でも、現場のスタッフが使いこなせなければ意味がありません。導入を検討する際は、必ず無料トライアルなどで実際の管理画面を触って確認しましょう。

ITの専門知識がない担当者でも「QAの追加・変更が迷わずできるか」「分析レポートを直感的に読み取れるか」が重要です。機能の豊富さだけでなく、現場への定着しやすさを優先して選ぶことが、結果として安定した運用に繋がります。

チャットボットを導入し電話対応を削減できた事例5選

コールセンターや電話窓口での課題をチャットボットでどう解決したのか、AIチャットボット「Tebot」での実際の導入事例を5社ピックアップして紹介します。

【観光/toC】繁忙期の多言語対応をチャットボットでカバーした事例

長野県・白馬エリアでスキーリゾートのシーズンパスや日数券を販売するHAKUBAVALLEY索道事業者プロモーションボード様では、販売ピーク時期に決済方法・購入手順・受け取り方法といった定型的な質問が国内外から一気に集中し、「問い合わせ対応だけで一日が終わってしまう」状況が続いていました。
コールセンターでは英語での対応も多く、業務負荷は特に高くなっていました。シナリオ型・AIマッチング・生成AIを組み合わせたTebotを導入したことで、定型質問はチャットボットで完結できるケースが増え、人が対応する件数が大幅に減少。多言語で24時間対応できるため、担当者によって生じていた回答品質のばらつきも解消されました。

▶︎HAKUBAVALLEY索道事業者プロモーションボード様のチャットボット導入事例

【金融/toC】チャットボット導入でコールセンター専任担当者を廃止した事例

クレジットカードやローン、保険などの金融サービスを手がける伊予鉄フィナンシャルサービス株式会社様では、コールセンターの専任担当者が退職したことを機に、採用・教育コストをかけずに業務を維持する方法を模索していました。
「入電数を抑える」方針でチャットボットを導入し、シナリオ型・AIマッチングを活用。電話件数が確実に減少し、専任担当を廃止した兼任体制でも業務が回る仕組みを実現しました。問い合わせ窓口にチャットボットが加わったことで、「電話やメールほど手間をかけずに確認できる」と感じた利用者からのチャット経由の問い合わせが増加し、顧客接点の幅も広がっています。

▶︎伊予鉄フィナンシャルサービス株式会社様のチャットボット導入事例

【団体/toC】チャットボット導入で電話対応を3割削減した事例

全国に約4万人の会員を持つ公益社団法人日本介護福祉士会様では、ウェブサイトに情報が掲載されているにもかかわらず「たどり着けずに電話してしまう」定型的な問い合わせが多く、コールセンターでの業務負担が課題となっていました。
シナリオ型チャットボットを導入し、利用者が自分で疑問を解消できる導線を整えた結果、電話問い合わせが約2〜3割減少。夜勤や早朝などシフト制で働く介護職の方が多い業界特性に合わせ、24時間対応できる体制も整いました。また分析機能により、どの時期にどのような質問が増えるかが可視化され、利用者が本当に知りたいことに即した情報提供の改善にもつながっています。

▶︎日本介護福祉士会様のチャットボット導入事例

【IT・サービス/toB】電話対応をチャットボットで3分の1に削減した事例

旅行会社専用の飲食店予約サイト「団タメ!」を運営する株式会社ボーダレスシティ様では、細かい条件確認を伴う問い合わせが電話に集中し、サポート用コールセンターの業務負担が大きくなっていました。
シナリオ型のチャットボットを導入したことで、繰り返し電話で受けていた定型的な質問を自動化。導入からわずか約4か月で電話対応件数が体感で3分の1にまで減少し、担当者がより付加価値の高い業務に集中できるようになりました。現在は有人チャットとも組み合わせた運用で、複数の問い合わせチャネルを効率的に管理。半年に一度の見直しのみでほぼメンテナンスフリーの運用を実現しています。

▶︎株式会社ボーダレスシティ様のチャットボット導入事例

【公共/toC】月400件の問い合わせ60%をチャットボットでカバーした事例

劇場・図書館・文化芸術交流センターを擁する複合文化施設「札幌市民交流プラザ」様では、施設ごとに内容が異なる多様な問い合わせに対し、電話やフォームでの対応に時間がかかることがありました。
シナリオ型とAIマッチングを組み合わせたTebotを導入した結果、月平均400件前後の問い合わせのうち約60%をチャットボットが対応し、AI回答率も80%という高い水準を達成。結果、コールセンターを含む窓口・フォームの対応負担が大きく軽減されました。また分析機能を通じて、利用者がどのような言葉で質問しているかが可視化されるようになり、回答精度の向上や施設案内の改善にもデータを活用できています。

▶︎札幌市民交流プラザ様のチャットボット導入事例

コールセンター向けチャットボット導入検討時によくある質問

これまでご紹介した内容を含め、コールセンターでチャットボットを導入する際によく頂く質問をQA形式でまとめました。

Q.
コールセンター向けチャットボットの導入期間はどのくらいですか?
A.

初期設定を代行してくれるサービスや、マニュアルを読み込むだけでQAが作成できる製品であれば数日〜1週間程度です。

Q.
電話での対応をすべてチャットボットに任せることはできますか?
A.

すべてを任せるのはおすすめしません。定型的な質問はチャットボットで対応し、複雑な相談やクレームはオペレーターが電話で対応するという使い分けが効果的です。

Q.
コールセンター向けチャットボットの料金相場はどれくらいですか?
A.

シナリオ型は月額1万円から始められる製品もあります。AIマッチング型は5万円〜、生成AI型は回答制限が無いもので10万円前後と少し高めになる傾向がありますが、設定や運用の手間を大きく省けます。

Q.
コールセンター向けチャットボットのデメリットは何ですか?
A.

複雑な質問や個別の事情には対応しきれない点です。解決できない時に、オペレーターによる有人対応へスムーズに引き継げる導線を用意しておく必要があります。

Q.
導入後の効果はどのように測定すればいいですか?
A.

チャットボットの「利用率」や「自己解決率」などで判断します。

Q.
お客様向けではなく、社内のオペレーター支援にも使えますか?
A.

はい、使えます。新人オペレーターが通話中にマニュアルを検索する「社内FAQ」として活用することで、対応スピードの向上や教育の負担軽減につながります。

Q.
導入したあとのメンテナンスは大変ですか?
A.

シナリオ型やAIマッチング型は必要に応じて都度修正する必要がありますが、回答が安定すれば月1回のメンテナンスを目安とします。生成AI型は元データを更新すれば、QAを都度調整する必要はありません。

Q.
コールセンターに導入して失敗するケースはどんな時ですか?
A.

Webサイトの分かりにくい場所に設置してしまい、お客様に使われないケースです。気軽に質問できる導線を作ることと、定期的に回答を見直すことが重要です。

Q.
無料トライアルではどのような点を確認すべきですか?
A.

管理画面が直感的に操作できるか、自社の資料を読み込ませた時に正しい回答が作れるかの2点です。実際に現場の担当者が触って確認することをおすすめします。


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